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第1章 奈良公園あたり 8 依水園、吉城園、五劫院、奈良女子大学

今日は奈良公園付近の案内の最後です。

まず依水園いすいえんです。

依水園は奈良県庁のすぐ東にある

池泉回遊式庭園で国指定の名勝です。

ここは奈良市内に唯一ある観賞庭園で、

入り口右側の前園と、左側の後園があり、

作られた時代がまったく違う2つの庭が組み合わされて、

大庭園となしています。

後園は、借景が素晴らしく遠くには若草山、春日山、

御蓋山みかさやまが見え、

すぐ手前には東大寺南大門がみえます。

ここは海運業で財を成した中村家が1939年に買い取り、

前園と後園を合わせた形に整備したもので、

中村家所蔵の美術品を展示するため、

寧楽美術館が併設されています。

この隣には吉城園よしきえんがあるので寄ってみましょう。

二月堂の辺りを源流とする

小川の「吉城川」からこの園の名を付けたのでしょうか。

「興福寺古絵図」によると、

興福寺の尼坊があった所とされているようですが、

大正八年に現在の形とした後、奈良県の所有となり、

平成四年から一般公開されているそうです。

園内は池の庭、苔の庭、茶花の庭、と分かれていて、

なかなか落ち着いたお茶室があり、

園の縁を流れる「吉城川」からの水脈で杉苔に覆われて

茅葺のお茶室とも調和していましたが、

奥の方の庭の手入れは今一つと言う感じでした。




次はほとんどのガイドブックに載っていない

奈良市北御門町にある、五劫院ごこういんというお寺です。

東大寺の裏の正倉院を左に見て

なおも北に5分ほど歩くと、

知足院と言う静かなお寺があります。

そして右側に「奈良奥山ドライブウエイ」の入口がありますが、

なおも北に5分ほど歩いたところにあります。

ここには秘仏五劫思惟阿弥陀仏坐像

(ごこうしゅいあみだぶつざぞう)が本尊ですが、

年に数日だけしか拝観できません。

五劫思惟の「一劫」とは

「四十里立方の大盤石に天女が三年に一度舞い降りてきて、

その盤石を撫で、それを繰り返して、

石がついに無くなるまでの

人智では計り知れないような永い時間」のことだそうで、

五劫はさらにその5倍という

気の遠くなるような長い時間、

五劫思惟阿弥陀仏はひたすら衆生を救うために

五劫の間、修行を積まれているのを

この髪の毛が伸び放題になった様子で表しているのだそうで、

全国でも16体ほどしかみられないという珍しいお姿です。

円やかなお顔立ちで、不思議な落ち着きをいただける仏様です。

鎌倉期に東大寺を再興された重源上人が

宋から請来された3体のうちの一つだそうで、

この阿弥陀仏を安置するため

東大寺の北御門前(現在の地名)に堂を建てられたのが

五劫院の開山ともなっているというお話でした。

ところで仏様が振り返る姿は

京都永観堂の「見返り阿弥陀」が有名ですが、

この寺にも珍しい「見返り地蔵」がありますが、

これはいつでも拝観出来ます。



最後は普段は入れない女の園の奈良女子大学です。

近鉄奈良駅から東向き北通りを

北に5分ほど歩いたところに奈良女子大学はあります。

この大学は言うまでもなく

旧制女子高等師範学校として設立された

奈良女子高等師範学校が母体となっています。

東のお茶の水女子大学と並ぶ女子大の双璧であり、

国立女子大学は本学とお茶の水女子大学だけであるという

名門です。

ここの旧本館は大学本部と講堂として使用されていたものが、

1980年(昭和55年)に本部管理棟が、

1983年(昭和58年)に講堂が別に新築されたため、

平成2年から「記念館」と名称を改め、

保存されることとなったそうです。

平成6年に改修工事を行われたのを機に

守衛室(附 正門)とともに国の重要文化財に指定され、

一階は展示室、二階は講堂として学内活動で使用されるとともに、

春と秋の期間限定で一般に公開されていますが、

校門からも外観を見ることが出来ます。


さて奈良公園付近はこのくらいにして

佐保路へ向かいたいと思いますがそれは次回にします。

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