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第4章 斑鳩周辺 2 矢田丘陵、矢田寺、東明寺

矢田丘陵には、松尾寺、金剛山寺(矢田寺)等の古刹があります。

アジサイ寺で名高い矢田寺のご本尊のお地蔵様は有名ですが、

本堂へ上がる途中で迎えてくれる味噌なめ地蔵も面白いですね。

矢田丘陵の最も北寄りに位置するところに

山岳寺院の一つで

東明寺というお寺があります。

ガイドブックには近鉄郡山駅からバスに乗り、

「横山口バス停」から北西へ徒歩30分とありましたので、

その通りに行くことにしました。

しかし途中から急に山の森に中に踏みわけ踏みわけ行く感じです。

道標に従い40分でようやく到着しました。

まさに山寺と言うべきお寺で、

とにかく風情のあるお寺です。

お寺の方のお話では持統天皇7年(693)ごろ

日本書記の編者の舎人親王が創建した古刹です。

本尊は薬師如来坐像(重文)ですが、

像高は94cmとあまり大きくはありませんが、

想像していたよりもずっと素晴らしいお姿です。

平安時代の桜の一木造りで、

どこか神護寺の御本尊の御顔に似ています。

また堂のあたりがアスリートのように引き締まり、

他にはない印象です。

もともとは赤色に彩色されていたそうで、

杉板の光背が白であったと言うから

とても変わった薬師如来様です。

お厨子は5代将軍綱吉の生母桂昌院寄贈したものとかで

東照宮を連想するような豪華なものです。


北へ15分ほど山道を行くと矢田山遊びの森なども有り、

奈良盆地を一望できる見晴らしの良い

矢田丘陵の北側中腹に位置していて、

ハイキングコースにはもってこいの場所で、

新緑や紅葉が美しいところだと感じた次第です。

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