第6話デスリーパーvs俺
第7話です。
黒い海のように押し寄せる魔族の軍勢。その中心で、ゆっくりと世界樹に向かって歩みを進める漆黒の騎士――デスリーパー。
その存在が、一歩踏み出す度に世界樹が軋み、空気が震え、生命力そのものが削がれていく。
ただ“強い”なんて言葉では足りなかった。
奴は――世界を殺す概念そのものだ。
「な、なんなの……あの圧……!」
エルゼが震える。呼吸だけで肺が痛むレベルの重圧だった。
俺も同じだ。聖剣を握る手が汗ばんでいる。
あれを前にして恐怖を感じない奴はいない。
その瞬間、デスリーパーの兜の奥で、ぼうっと赤い光が灯る。
視線が――完全に俺へ向いた。
次の瞬間。
——空間が死んだ。
「っ!? カイト様、避けて!!」
エルゼの叫び声が響くが、もう遅かった。
気づけば俺の頬には細い裂傷がついていた。
攻撃を“見てない”。
斬撃どころか、振った気配すらなかった。
「……今、何を……?」
デスリーパーの鎌が、ゆっくりと俺へ向けられる。
そして、不気味なノイズ混じりの声が響いた。
『――【魂断】。お前の魂は、すでに一度死んでいる』
「は?」
魂が? 死んでる??
わけが分からない。
だが、ステータス画面を見た瞬間、血の気が引いた。
<状態異常:魂の欠損(小)>
「な、なんだよこれ……俺、攻撃された覚えがないぞ……!」
「カイト様……デスリーパーは、存在に触れずに魂だけを刈る伝説の魔王……!
“一度でも視界に入る”だけで魂を傷つけられると言われていますわ!」
視界に入るだけで……魂を?
ふざけんな。反則だろ。
『弱き魂よ。次は肉体を刈る』
デスリーパーが鎌を構えた瞬間――
世界が黒く染まり始めた。
まるで、この世界の色そのものが削られていくみたいに。
「カイト様、逃げなければ――!」
「いや、無理だ。逃げ切れない」
俺は深呼吸し、震える右手でステータス画面を開いた。
そこにあったのは、唯一の光。
特性:無限の可能性(覚醒)
新スキルツリー → スキル:『限界突破(LOCKED)』
ロックされているが……解放条件が一つだけ書いてあった。
【死を直視せよ】
「……なるほど。死ねってか」
デスリーパーが俺に向けて鎌を振り上げる。
空間そのものが裂ける音が響いた。
『終わりだ、人間』
鎌が振り下ろされる――その刹那。
「来いよ、デスリーパー。
俺がお前を超える“可能性”を証明してやる!」
刃が俺を飲み込む瞬間、スキルツリーが眩い光を放った。
――スキル『限界突破』解放。
次の話はやや長いです。。




