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第4話 覚醒

話すことないので次どうぞ

「カイト様! やりましたわね!」

 光が収まり、エルゼが駆け寄ってきた。その興奮した声は、夜明けの静寂を打ち破るほどだった。俺は左手の小指の先端から血が滲んでいるのを眺めながら、湧き上がる新たな力に静かに酔いしれていた。痛みはほとんど感じない。それよりも、体中を駆け巡る未知のエネルギーに意識が集中していた。

 ステータス画面を再度確認する。「特性:無限の可能性」の項目が、確かに輝いている。これが意味するところはまだ分からないが、これまでの努力が報われたことは確かだ。

「ああ、やったな」

 俺はエルゼの肩を抱き寄せ、昇り始めた朝日に向かって呟いた。世界樹の頂上から見下ろす世界は、今朝は昨日までとは全く違って見えた。全てが鮮明で、まるで世界の解像度が上がったかのようだ。

 その時、俺の視界の端に、新たな通知ウィンドウが現れた。

『特性:無限の可能性が覚醒しました。新しいスキルツリーが解放されました。』

 スキルツリー? 俺は慌てて画面を開く。そこには、「無限の可能性」という大きな見出しの下に、これまで見たこともないような複雑なスキル群が広がっていた。どれもこれも、強力そうな説明文ばかりだ。

「カイト様、どうなされました?」

「新しいスキルツリーが解放された。どうやら、この特性は自動的に強くなるわけじゃなく、自分でスキルを選んで成長させるタイプみたいだな」

「なるほど……。まさに『可能性』という名前にふさわしい特性ですわね」

 エルゼが画面を覗き込み、感嘆の声を上げた。

 俺はいくつかのスキルをじっくりと見てみる。

 「自己進化」:経験値獲得時、確率でステータスがランダムに上昇する。

 「スキルコピー」:対象のスキルを一度だけ模倣し、使用することができる。

 「限界突破」:一時的に全てのステータスの上限を撤廃する。

 どれもこれもぶっ壊れ性能だ。特に「スキルコピー」は魅力的すぎる。

「まずは『自己進化』にポイントを振るか。地道だが、基本ステータスは重要だし」

 俺がスキルポイントを割り振ろうとした、その瞬間だった。

 ゴオオオオッ!

 世界樹全体が激しく揺れ、地鳴りが響き渡った。東の空から差し始めた朝日の光が遮られ、不気味な影が世界樹の麓から急速に伸びてくる。

「何だ!?」

 俺たちは慌てて下を見下ろす。そこには、信じられない光景が広がっていた。

 巨大な黒い影の軍勢が、世界樹を取り囲むように押し寄せてきている。その数、万を超えるだろうか。先頭に立つのは、全身から禍々しいオーラを放つ、漆黒の甲冑をまとった騎士。その手には、世界樹の生命力すら吸い取りそうな巨大な鎌が握られている。

「魔族の軍勢……なぜここに!?」

 エルゼが顔色を変えて叫ぶ。

 俺はステータス画面を閉じ、聖剣を握りしめた。「特性:無限の可能性」は覚醒したばかりだ。まだ力の使い方も分からない。だが、目の前の危機は待ってくれない。

「エルゼ、来るぞ!」

 俺たちは、最強への第一歩を踏み出した直後、いきなり世界を揺るがす戦いの渦中に放り込まれたのだった。

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