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15話 副団長アルトリアの真の顔

アルトリアという騎士は――

表向き、冷徹で完璧な副団長だと語られる。

戦場では一切の甘さを許さず、

敵には容赦なく剣を振るい、

騎士団の誰もが震えるほどの強さを持つ。

「副団長は“氷の聖騎士”だからな……」

「感情なんてあるのかよ……」

そんな噂が当たり前に語られている。

だが――

その姿が“アルトリアのすべて”ではなかった。

カイトが目を覚ましたのは、拠点に戻って二日後だった。

全身を焼かれるような痛みがまだ残っていたが、意識ははっきりしている。

横で看病していたアルトリアが、気配に気づいて顔をあげる。

「……カイト。やっと起きましたか。」

その声は、思っていたより柔らかかった。

驚いて見つめるカイトに、アルトリアはほんの少しだけ視線を逸らす。

「戦場以外で傷ついて倒れている者を見れば、

 普通に心配くらいします。」

耳まで赤くなっていた。

(……え、そんな照れ方する人だったのか?)

カイトは少し戸惑う。

氷の副団長だと思っていたが、こんな温度のある一面を見たのは初めてだった。

「そ、その……助けてくれてありがとう、アルトリアさん。」

「“さん”はやめなさい。弟子なのですから。」

「やっぱり弟子扱いなんだ……」

「当然です。私が助けた以上、私が鍛えます。

 ……見捨てるほど薄情な人間ではありませんから。」

その言葉は少し拗ねているようにも聞こえた。

(この人……本当は、誰かを守るのが好きなんだ……)

戦場では冷酷、

だが日常では不器用に優しい――

それがアルトリアの“本来の人格”だった。

「さて――動けるなら、修行を再開します。」

「えっ、もう!?」

「当然でしょう。

 あなたは覚醒条件を“まだ五つしか”達成できていないのですから。」

「五つ!? 俺、あれだけ死にかけたのに五つだけ!?」

「……一個は“死にかけた状態で生き残る”という条件でしたけれど。」

「そんな条件あるの!?」

「あります。」

アルトリアは淡々と答えた。

しかしその目には、師としての誇りが宿っている。

「カイト。

 いいですか? あなたの覚醒条件は《100項目以上》あります。

 だが――それは絶望ではありません。」

「いや、普通絶望だろ……」

「……あなたは一つ大事な勘違いをしている。」

アルトリアは一歩近づき、カイトの胸に軽く指を当てた。

「覚醒条件は“ただの儀式”ではない。

 あなたを“覚醒後に耐えられる存在に育てる”ための工程です。」

「育てる……?」

「そうです。

 覚醒はゴールではなく、ようやくスタートに立つための扉。

 その扉を開けるだけの肉体、精神、技術――

 本気で世界を救える器を作るための、長い階段なのです。」

アルトリアの言葉は厳しく、しかし確かに“信頼”があった。

「カイト。

 あなたは弱い。

 けれど――折れない心だけは、私が保証します。」

「……アルトリア。」

「その心は、私が鍛え直します。

 弟子ですからね。」

ふっと、小さく笑う。

氷の副団長ではなく、

どこか年上の姉のような、柔らかい笑顔だった。

「さて、今日の訓練メニューですが――」

アルトリアが広げた羊皮紙には、

見たことのない“地獄”が書き並んでいた。

【覚醒条件(カイト専用)】

・古代種の影を一度も見失わずに、3時間追跡

・魔力枯渇状態で魔力制御を成功させる

・精神迷宮で“自分の恐怖”を克服

・天候操作魔獣の暴風下で10分立つ

・自分より強い存在に“真正面から一撃を通す”

「いや待て!? 最後のとか絶対無理だろ!!」

「できます。練習すれば。」

「できる気がしない!!」

「できます。」

「そんな根拠どこにあるんだよ!」

アルトリアは即答した。

「あなたは私の弟子です。それで十分です。」

それは最強の副団長の“断言”だった。

その瞬間――空が震えた。

黒い雲が渦を巻き、

遠い空に巨大な影が映る。

アルトリアが顔を上げ、剣に手をかけた。

「……思ったより早い。

 魔王軍が動き始めたのか。」

「ま、魔王軍……?」

中隊長級グラウルが逃げた時点で予想はしていましたが――」

アルトリアは空をにらむ。

その目に、騎士らしい冷静さと、

本能的な危機感が宿っている。

「カイト。

 覚悟しておきなさい。」

ひゅう、と風が吹いた。

「――魔王が、“あなたに興味を持った”ようです。」

鳥肌が立つような言葉だった。

カイトはその場で固まる。

アルトリアは静かに言い放つ。


「だからこそ、急ぐ必要があるのです。

 あなたの覚醒は……もう猶予がありません。」

空の影が不吉に蠢く。

こうして、

カイトの地獄の修行は本格的に――

そして容赦なく始まった。

アルトリアの口調で変わったと思います。

どこかで書くと思いますがそこまで物語に関係ないので、説明していこうと思います。

まずアルトリアは冷徹な副団長として知られています。

そんな彼女が弟子に選んだのは主人公のカイト。

カイトに稽古をつけるうちに自分の本性をあらわすようになりました。

まとめると

● 普段のアルトリア

優しい

落ち着いた喋り方

どこかお姉さん気質

騎士としての礼節を重んじる

カイトに対しては甘めで保護者寄り

● 戦闘時の“騎士王モード”のアルトリア

話し方が硬くなる

一人称が切り替わる

表情が消える

感情を徹底的に切り捨てている

力の制御のため、思考速度が跳ね上がる。


戦闘モードの方が強いですが、誰かを守るときは通常時の方が強かったりします。

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