問いと聞くと疑問と
レンヴィーノはベゼグルフに知られたくないことを言われ石化したかのように固まっていたが……。
石化したように固まっているレンヴィーノをみてジンフェルスはベゼグルフに警戒しつつも笑いを堪えるのがやっとだ。
(駄目だ……目の前のベゼグルフを警戒しないといけないってのに……プッ……クッ、苦しい)
ベゼグルフの口からレンヴィーノが竜人国のプリンス……王子だと聞きエミネデウスは目を丸くし驚いている。
「レンが王子さま!?」
レンヴィーノが王子だと聞きセアネシェレは今まで以上に目を輝かせていた。
「まあ、レンが王子さま……素敵ですわ!」
「……」
知られたくないことをベゼグルフにバラされレンヴィーノはセアネシェレに言われるも返答できず未だに固まっている。
(セアネ……そう言ってくれるのは嬉しい。だが、なんでこんなタイミングでセアネとエミネにバレなきゃいけねえんだよ(泣き)……)
この状況がのみ込めていないベゼグルフは勿論レンヴィーノが固まっている理由なんて分かっている訳もなく。
「まあいい……もっと自然に近づこうと思ったが」
それを聞きレンヴィーノは、ハッと我に返りベゼグルフを鋭い眼光で睨んだ。
「……近づくって、セアネにか?」
「レンヴィーノ、やっと口を開いたか。ああ、それもある。だが、それだけじゃない。お前たちと行動した方が面白そうだと思ってな」
「言ってることが理解できねえ。お前は魔族だよな。それにセアネは勇者。オレ達はセアネの仲間だ。敵同士だぞ……一緒に行動って可笑しいんじゃねえのか?」
意味が分からないレンヴィーノは困惑している。
「レンの言う通りだ。仮に俺たちと行動したいとして目的は?」
「お前も竜人か……誰だか知らんが、まあいい。目的か、あってないようなもの。ただ魔王が嫌いなだけ。だから、お前たちと行動したいのが一つだ」
「それを信じろってか。九帝魔族の一人が魔王を裏切って勇者側につく? フンッ、あり得なすぎだ」
ニヤリと笑みを浮かべるとベゼグルフは目を細めレンヴィーノを見据えた。
「フッ、そう言われるとは思っていたがな。かつて俺は勇者とレンヴィーノ、お前に敗れた。その後のことはアラクネスに聞いて知ったが」
「魔王は勇者と、その仲間に討伐された。ですが、それは何代目の勇者にでしょうか?」
「お前は人間か。だが肝が据わっている……俺の好きなタイプだ」
ゾクッとしエミネデウスの顔は青ざめ身震いする。
「男には興味ありませんし、ましてや魔族に好かれても嬉しくないです。それよりも質問に応えて頂きたいのですが」
「それは残念だ。まあ俺も男には興味がない。そうそう質問に応えないとな。確か三代目だったか? 丁度あの頃、九帝魔族が揃った」
思い返しながらベゼグルフは目を閉じる。
「あの頃の俺は浮かれてたと今になって思う。魔族の中じゃ最強の九人に選ばれて自分の力に過信してたが勇者セアネキアとレンヴィーノと戦い敗れて気づいたんだ」
「改心したってことか?」
「改心? さあ、どうだろうな。それよりも復活して思ったのは自分にとって良い道……いや楽しいのって、どっちなんだってさ」
なるほどと思いセアネシェレとレンヴィーノとエミネデウスとジンフェルスは納得した。
「そうなのですね。三代目の勇者、名前からして女性。それも私と名前が似ているわ」
「確かにそうですね。勇者になる要素に関係するのでしょうか?」
「いや、それはない。セアネと三代目の勇者の名前が似ているのは偶然だ……恐らく、そうだと思う」
そうレンヴィーノも、なんでセアネシェレとセアネキアの名前が似ているのかと思い悩んでいたのだ。
「俺は三代目までの勇者しか知らない。それはそうと今って何代目なんだ?」
「……セアネシェレは九代目だ」
「レン……よく知っているのですね。まるで今まで全勇者と関わって来たかのように……」
言わなきゃよかったとレンヴィーノは後悔し顔から大量の汗を流している。
その後もセアネシェレたちは、ベゼグルフのことよりもレンヴィーノの方が気になり根掘り葉掘り聞いていたのだった。
読んで頂きありがとうございます*\(^o^)/*
ベゼグルフの話から、ドンドン別の方向にズレて何時の間にか勇者について……。セアネシェレが九代目……それを数えていたかのようにレンヴィーノは返答した。
どれだけ勇者と関わって来たのだろうか?
ってことで次の章までは、もう少しかかりそうだぞっと( ̄▽ ̄;)
と、いう事で……d( ̄  ̄)
では、次話もよろしくお願いします٩( ᐛ )و




