師匠のことと九帝魔族について
ジンフェルスの住居でセアネシェレ達は話し合いを始めて……。
ここは町に隣接するブルベルスの森。その奥には、ヒッソリと丸太づくりの建物が立っている。そう、ここはジンフェルスの住まいだ。
現在この建物の中には、ジンフェルスの他にセアネシェレとレンヴィーノとエミネデウスがいる。
「防音の結界か……相変わらず用心深いな」
「レン、常に警戒はしておいた方がいいのですよ」
「エミネデウスの言う通りだ。まあオレ達には無縁だがな」
ニヤッと笑いジンフェルスは腕を組んだ。
「ああ……だいたい気配や匂いで分かる」
「凄いわぁ~……私も分かるようになるかしら?」
「「「……」」」
返す言葉に困りレンヴィーノとエミネデウスとジンフェルスは黙ってしまった。
「あーえっと……私、何か変なことを言ったのでしょうか?」
「……変ではありません。気配を感じることは私たち人間でもできるでしょう。ですが匂いは無理かと思われます」
「そ、そういう事だ。エミネの言う通りオレ達は人間の嗅覚と違うからな」
それを聞きセアネシェレは納得する。
「余計な話をしてる場合じゃない。夜が明けてしまうぞ」
「ジンフェルス、そうだな。先ずは何から話を進める?」
「そうですね。では師匠のことを話したいと思います」
深呼吸したあとエミネデウスは再び口を開いた。
「師匠の名前は――――……」
黒服の男とのことをエミネデウスは、淡々と話し始める。
先程の黒服の男はエミネデウスの師匠でロべルイド・カルキリアで三十五歳。ハベスニア国にある道場のような養成所の教師だ。
養成所は国で管理していて各地にある。ロべルイドはサンビアルの城下町にある養成所で教えていた。
そこでエミネデウスは戦術や魔法の使い方、剣術などを習ったのだ。只エミネデウスだけは優秀だったためか、それ以外のことも学んだ。
因みにエミネデウスは独学で書物などを読み学んでもいた。
「なるほど……今でも教えてるのか?」
「いいえ、確か二年前に辞めて故郷のサニアス村に帰ったはずです」
「サニアス村って、サンビアルよりも遥か南にあるのよね?」
コクッと頷きエミネデウスはセアネシェレをみる。
「セアネ、知っているのですか?」
「国内の町や村、施設などは知っています。お父さまと、お兄さまが仕事で各地へ赴いた話を聞かせてくれましたので」
「そういう事ですか。そういえばセアネの家は代々地方をまわって監視することを請け負っていましたね」
そう、そのためセアネシェレは国内の地理であればだいたい分かるのだ。
「ええ、ですが今になっては国内のことを知っていても意味ないですよね」
「いや……何れ必要になるかもしれねえ。ロベルイドの本拠地がハベスニアだとしたら役に立つ知識だ」
レンヴィーノに褒められたと思いセアネシェレは嬉しくなり喜んでいる。
「嬉しいですわ。私にも役に立てるものがありましたのね」
「まあ、それだけじゃ勇者としては不合格だがな」
「レン、ちょっと言い過ぎですよ。セアネは頑張っていると思います」
ムッとしエミネデウスはレンヴィーノを睨んだ。
「ああ、それは認める。だけど今は余裕がねえ」
「魔族……そういえば先程、九帝魔族と言っていましたね」
「セアネの覚醒よりも先に全九帝魔族が復活したら魔王の復活よりも先に、この世界は終わりだ」
それを聞きセアネシェレとエミネデウスとジンフェルスは驚き顔が青ざめる。
「最強九魔族か、レンヴィーノが恐れるってことは相当やばいヤツらみたいだな」
「ジンフェルス、ああ……とんでもねえ連中だ。あんなヤツらとは、もう戦いたくねえ」
「そうなると私も今以上に強くならないとまずいですね」
険しい表情になりエミネデウスは無作為に一点をみつめた。
「私は早く覚醒して勇者と言えるぐらい強くならないと」
「ああ、余裕はねえ。恐らく今後ヤツらは定期的にセアネを狙ってくる。覚醒させたくねえだろうからな」
「厄介ですね。常にセアネのそばで監視していないと」
それを聞きレンヴィーノは頷きセアネシェレをみる。
「これから宿を取る時は全員、同じ部屋にする」
「そうするしかありませんね。セアネには申し訳ありませんが」
「いいえ……構いません。それよりも私が弱いせいで、みんなに迷惑をかけてしまい……ごめんなさい」
申し訳なくてセアネシェレは三人の顔を真面にみれないようだ。
その後もセアネシェレ達は話し合っていたのだった。
読んで頂きありがとうございますヽ(^o^)
さあ大変だ。まだ九帝魔族のことは語られていない。このあと詳しいく話すのだろうか?
それにしてもエミネデウスの師匠は、なんで世界をリセットしたいのか?
それらは後々明かしていくつもりでいます(*^ω^*)
と、いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(^o^)




