力の差と用心の差
エミネデウスは黒服の男へ攻撃を仕掛けるも……。
「貴方から……そのような言葉を聞くとは思っていませんでした」
思いつめたような目をしエミネデウスは静かに息を整える。今ある感情を表に出さないためだ。
ここで怒りのまま行動すれば相手の思う壺。そのため、ひたすら堪えていた。
だが限界なのか神経が壊れかけ顔がひきつっている。まあ既にキレてはいるのだが。それでもなんとか持ち堪えている。
「私を、どのようにみていたかは知らんが……」
「尊敬していた……クッ、だが…………」
エミネデウスは下唇を噛み過ぎて血が滲んでいた。
(もういい……今の私には護らなければいけない人が居るのだから)
そう思い軽く深呼吸をする。
《冷却 対象 足下 凍れ!!》
特異語で呪文を唱えるとエミネデウスは素早く片手を黒服の男へ向けた。
※特異語とは、この世界だけのもので特に裏社会で暗号的に使われている。まあ只、頭文字で会話するだけなのだが。
エミネデウスは相手に悟られたくない時のみ特異語で呪文を唱えるようにしている。
因みに、これを呪文として使用しているのはエミネデウスだけだ。
「……!?」
咄嗟に黒服の男はエミネデウスが何かしたことに気づき対処しようとする。だが時すでに遅し……。
黒服の男の足下は凍りついていた。
「なるほど……そんな芸当ができるようになっていたとはな。だが、やはり甘いな」
自分の足下に手を翳し無言で……心の中で詠唱し始める。
「遅いですよ」
即座に動きエミネデウスは回し蹴りを黒服の男へかました。
「フンッ……」
その蹴りを黒服の男は簡単に素手でガードする。
「クッ……やはり簡単にはいきませんね」
「その表情は……流石のお前でも冷静でいられないようだな」
「堪えるのに苦労していますよ。まさか貴方と敵対することになるとは思いもよりませんでした」
何時にない猟奇的な笑みと眼差しエミネデウスは、かなりキレているようである。
まあ、そうでもしていなければ目の前の相手になど勝てないと分かっているからでもあるのだが。
だが黒服の男は余裕の笑みを浮かべていた。
「お前の本気がみれそうで私は嬉しいのだがな」
何時の間に詠唱をしていたのか黒服の男の足下を凍らせていた氷が消えている。
「フフッ、それは良かったです。私は今ここで貴方をとめる」
決死の覚悟でエミネデウスはレイピアを構えた。
それをみても黒服の男は余裕で構え一つせず立っている。
体勢を低くしエミネデウスはグリップを握り締め魔力を注ぎながら詠唱をした。
《切り裂く 鋭い冷たき 氷刃 我が命ず 対象 攻撃!!》
特異語で呪文を言い放つと瞬時に魔法陣が現れ螺旋を描きレイピアの剣身を覆っている。そのレイピアからは凍てつくほどの冷気が漂っていた。
冷気を纏うレイピアを構え直しエミネデウスは黒服の男へ剣身を向ける。それと同時に素早く踏み込み黒服の男の腹へと突き刺した。
――カーン……――
レイピアの剣先は黒服の男の腹部にあたるも跳ね返される。その拍子にエミネデウスも弾き飛ばされた。と云っても数ミリ程度である。
そう、こうなることは予想していたようだ。
「ハァハァ……相変わらず服の下に鎧を纏っているのですね」
「当然だ。見た目も、この方がスッキリしているからな」
不敵な笑みを浮かべると黒服の男は一変し体全体から途轍もない覇気を放った。
「遊んでいる時間はない、そろそろ終わりにするか。お前ほど腕の立つ者を殺すのは惜しいがな。その性格では私に懐きそうもないだろう」
雰囲気を一変させた黒服の男をみたエミネデウスは警戒する。
(本気で私を殺す気ですね。これは覚悟を決めなければ……いえ既にできている。勝てるか……やるしかない)
身構えレイピアのグリップを強く握り締めると、エミネデウスは黒服の男を鋭い眼光で睨んだ。
それをみるも微動だにせず黒服の男は雑魚をみるような目でエミネデウスへ視線を向けていた。
読んで頂きありがとうございます(=゜ω゜)ノ
圧倒的にエミネデウスよりも強い黒服の男をエミネデウスは、どうやって倒すのか?
それともやられてしまうのか?
まだエミネデウスも全開では戦っていない。どんな時にでも慎重なようだ。
だけど、それさえも恐らく黒服の男は知っているのではないのだろうか?
さて、どうなるのやら……(;^_^A
そういえばレンヴィーノの出番ってあるのか?
まあ、それは後ほど……( *´艸`)
と、いう事で……(#^.^#)
では、次話もよろしくお願いします(^^)/




