激闘と制裁と終結と
レンヴィーノとジンフェルスの戦いは激しさを増している。その最中に聖剣が現れて……。
未だに終わりをみせることなくレンヴィーノとジンフェルスの戦闘は激しさが増していく一方だ。
何方も同じくらいの戦闘力なのか中々決着がつかない。
常人の目では到底、二人の動きを捉えられないであろう。周囲に響き渡る激しくぶつかり合う音と大きな叫び声でしか確認できない。
――パンッ……ババアーンッ……ドッガーン……――
お互いの能力が、ぶつかり合い弾き飛ばされた。
両者共に動かず砂の地面に横たわっている。ハァハァと息をしているので死んではいないようだ。
警戒しながら二人は、ゆっくりと上体を起こしている。
「ハァ、ハァハァ……。いい加減、吐きやがれっ!?」
「ツウ……ハァハァ……誰が言うか!!」
何方も顔が腫れあがり全身の至る所から血が流れ出ていた。普通の人間なら既に動けず最悪、死んでいるであろう。
そのため竜人は最強だと云われる所以なのである。
「クッ……ゼッテェー吐かせてやる!」
そう言いレンヴィーノは息を整えながら立ち上がったと同時に、ジンフェルスへ視線を向け体勢を整えた。
「ホザケッ!? お前なんかに負けるかっ!」
ジンフェルスも息を整えながら立ち身構える。
互いに睨んだ。瞬時に二人は動いた。
「ウリャアァァアアアー……――」
バチバチと電気を拳に纏いレンヴィーノはジンフェルスへと殴りかかる。
「ダァーアァァアアアー……――」
メラメラと拳に炎を纏ってジンフェルスはレンヴィーノに殴りかかった。
――グサッ!!――
何処からか突如あらわれた聖剣はレンヴィーノの尻に突き刺さる。
「ウギャー……イテェエエー!!」
余りの痛さにレンヴィーノは跳びあがりジンフェルスを越えて砂の地面へと落下した。
その拍子にジンフェルスは勢い余り砂の地面を思いっきり殴る。
――ズバーンッ!!――
途轍もない音と共に砂が舞い上がった。
その舞い上がった砂と衝撃波を真面に浴びてしまいジンフェルスは、そのままうつ伏せで倒れる。
一方レンヴィーノは尻に聖剣が刺さり余りの痛さに砂の中に顔を埋め泣いていた。まあ半分恥ずかしいのだろう。
聖剣は既にレンヴィーノから離れて、なぜか剣身を浄化している。それなら、そんなことをしなければいいと思うのだが(汗)。
「いてぇなぁ~クソ聖剣!? なんのつもりだ!」
そう言いながらレンヴィーノは起き上がり聖剣を睨んだ。
聖剣は何も応えずレンヴィーノの真上までくると剣身を発光させる。それと同時に鱗粉のような光の粒子がレンヴィーノの全身へ撒かれ覆い包んだ。
全身が発光しレンヴィーノの体は、ミルミル回復していった。
ある程度回復するとレンヴィーノは自分の体を見回す。
「なるほど……回復してくれたってことか。助かったぜ。偶には役に立つじゃねえか。これならジンフェルスを仕留められる!」
倒れ起き上がろうとしているジンフェルスに目掛けレンヴィーノは駆けだそうとする。
“待ちなさい!? そのために回復したのではありません”
剣先をレンヴィーノへ向けた。
「おっと……あぶねえ。なんかあったのか?」
危うく聖剣に突っ込み串刺しになりそうになってレンヴィーノは冷や汗を掻いている。
“セアネシェレの所に向かいなさい。現在エミネデウスが対応しています。恐らく一人では無理でしょう”
(それだけ強い相手ってことか?)
“エミネデウスよりも強いでしょう。ただ、それだけではないのです。今、対峙している相手の素性を知ったら動揺するのではと”
それを聞きレンヴィーノは、なんとなく察し頷いた。
(そうか……知り合いってことだな。エミネなら大丈夫だと思うが。用心にこしたことねえし……行くか。案内してくれ!)
そうレンヴィーノに言われ聖剣は猛スピードでセアネシェレの方へ向かい飛んだ。
それをみて飛び上がるとレンヴィーノは不貞腐れた顔で追いかける。そう、もっとゆっくり飛んでくれてもいいんじゃないのかと思ったからだ。
「あー行ったか。まあ、いい。一応、仕事はやったからな。端から真面にやり合えると思っていない……いや悔しいが、かなりアイツは手加減していた」
悔しさの余りジンフェルスは砂の地面を思いっきり殴った。
読んで頂きありがとうございます(^_^)/
聖剣のお陰でジンフェルスは命拾いしたようだ。ジンフォルスが言ったようにレンヴィーノは手加減していたらしい。
それにしても聖剣はレンヴィーノを手荒く扱っているようだけど昔から知っているからなのだろうか?
まあ、そのことは追々話すと致しましょうか(;^_^A
と、いう事で……(^^)v
では、次話もよろしくお願いします('◇')ゞ
この作品の今年の更新は、ここまでです。皆さん本年はありがとうございました。来年もよろしくお願いございますm(__)m




