質問攻めは続くよ何処までも……
エミネデウスはレンヴィーノに色々と聞いていたが……。
ここは宿屋のエミネデウスの部屋。
あれからエミネデウスは、ここにくるなりレンヴィーノを部屋に入れたあと鍵をかけた。
その後、外に声が漏れないように防音の魔法を唱える。
「そこまでするってことは聞かれるとまずいのか?」
そう言いながらレンヴィーノは椅子に座った。
「そうですね。まあ一応、用心だけはしておいた方がいいかと思いまして」
真剣な表情でエミネデウスはテーブルまでくるとレンヴィーノの真向かいに座る。
「ハルナシアを警戒してるのか?」
「それもありますね。只これは……まだ糸が繋がらなく曖昧なためなんとも言えません。ですのでレンにいくつか聞きたいのですが」
「ああ、オレが知ってることなら話す」
それを聞きエミネデウスは、コクリと頷くと話しだした。
「ハルナシアさんは、なぜこの件をレンに依頼したのですか?」
「オレが遥か昔にハルナシアの村を救ったからだろうな」
「なるほど……じゃあ元々レンの顔を知っていたという事ですね」
それは違うとレンヴィーノは首を横に振る。
「いや、その頃ハルナシアは産まれていない。知っているのは村の伝説でだと言っていたが。だが、なんで聞く?」
「それは、まだ待ってください。整理ができたら話します。では名前だけでレンだと気づいたのですね」
「そうなるな。まあ二人っきりになった時に確認はされたが」
なるほどとエミネデウスは頷き思考を巡らせた。
「んー……ハルナシアさんは何処の国出身なのですか?」
「ハイドリア国だ」
「ハイドリア……地図ではみたことがありますが。かなり大きな国だと認識しています」
更に思考を巡らせエミネデウスは無作為に一点をみつめる。
「ああ、大国だ。それに多種多様な種族が暮らしている。どちらかと云えば他国に比べ平和な国だぞ」
「それは凄い!! そんな国が存在するのですね。では獣人や亜人なども人間と共存している」
「そういう事だ。それで、このことと何か関係あるのか?」
余りにもエミネデウスが何を言いたいのか分からずレンヴィーノは、イライラしてきた。
「もう少し聞かしてください。ハルナシアさんは人間ですか?」
「そ、それは……」
「言えない……口止めされているのですか?」
疑いの目でエミネデウスはレンヴィーノをみる。
「いや、それはない。只……なぁ」
「レンのように擬人化しているからでしょうか?」
「……」
そう言われレンヴィーノは何も言えなくなった。
「答えて頂かないと先に進めません。それに……いえ、そうですね。レンに聞いたという事は言いませんので教えてください」
「ああ……分かった。確かにそうだな。ハルナシアは狐の獣人だ。生まれ育ったのはコンコモフ村。それで何か分かるのか?」
「なるほど……いえ、まだです。確かハイドリア国は、ここから遠いですよね?」
そうだと頷くもレンヴィーノはエミネデウスの質問の真意が分からず困惑している。
「遠い。だが、この国では珍しくないぞ。色んな国の者が来てるからな」
「そうなのですね。ですが、なんのために……この国に居るのですか?」
「これも珍しくないが。この国に滞在する自国の者が悪さをしないか監視している」
それを聞きエミネデウスは目を閉じ思考を巡らせた。その後、瞼を開くとレンヴィーノを見据える。
「珍しくない。なるほど……確かに我が国でも国内を監視させている者を配置しております。只、今のところは他国への監視はさせていません」
「そうだろうな。ハベスニア国は鎖国しすぎてるせいか……他国に興味がないようだ」
「ええ……私は別ですが」
ニヤッと笑みを浮かべエミネデウスは目を凝らしレンヴィーノをみた。
「本当にエミネは何を考えているのか分からねえ。いや、そのくらいだから……あの国でやってこれたのかもな」
「そうですか? 私は只、疑問に思ったことを全て潰しているだけですよ」
「なるほどな。それで、まだあるのか?」
そう問われエミネデウスは、コクッと頷き口角を上げ笑みを浮かべる。
「まだまだありますよ」
それを聞いたレンヴィーノは半分やけで「分かった」と言い、その後もエミネデウスの質問に答えていたのだった。
読んで頂きありがとうございます(^▽^)/
なるほど……静寂なる狂気の意味が分かったような気がする。質問攻めは精神を病んでしまいそうになるもんね(;^_^A
よくレンヴィーノは堪えていると思うよ。年の功かな……(;^ω^)
それでも、かなりイライラしてたね。さて、まだ質問は続くけど……これで本当に何か分かるのだろうか?(・・?
と、いう事で……(=゜ω゜)ノ
では、次話もよろしくお願いします(#^^#)




