作業開始
エミネデウスは中庭で草とりをしていた。それをみながらボブポールは……。
ここは宿屋の中庭。この場所にはエミネデウスが居て手袋をした手で雑草をとっていた。
汗をかきながら一生懸命に草をとっているエミネデウスの姿は爽やかそのものである。恐らく疲れているのだろうが到底そうは思えないほどだ。
「慣れない作業のためか……流石に腰にきますね」
だから、そうみえないってば……。
(まさか庭の草むしりをすることになるとは……。ですが、こんな貴重な体験は城に居たらできなかったかもしれない。
セアネのことがなければ何不自由なく一生を城で退屈な日々を過ごしていたかもしれないです。
本当にセアネには感謝しかありません。いえ、こんな掃除という提案をしてくれたレンにオレイを言いませんと)
思っていることと表情が違って顔が引きつっているようだ。レンヴィーノに対しては良く思っていないようである。
片やボブポールはエミネデウスと少し離れた所で木の剪定作業をしていた。
(ほう……思ったよりも根性があるじゃねえか。わざと退屈で忍耐力のいる作業をやらせてみたが、これは使えそうだ。
何時までいるんだ? 長期滞在してくれりゃあ、もっと仕事を教えるんだがなぁ)
かなりエミネデウスのことを気に入ったようである。
✦*✦*✦
「水の入った桶はここにおいてと」
階段の下の邪魔にならない所にセアネシェレは水の入った桶を置いた。その中には布が入っている。
水の中に手を入れ布を取り思いっきり絞った。
「セアネ……それで絞ったと云えるのですか?」
心配で様子を窺っていたギルヴィスはみていられなくなり布から水を絞る方法を教える。
「凄いですわ! こんなに布から水がなくなるものなのですね」
「力がなくても絞り方のコツを掴めば可能です。それか手で無理ならば何か道具を使うと云う手もありますよ」
「道具を使ってもいいのですね。あるのであれば使いたいです」
そう言われギルヴィスは「待ってて」と言い掃除道具が置かれている倉庫へ向かった。
その間セアネシェレはギルヴィスに絞ってもらった布で階段の手すりを吹き始める。
✦*✦*✦
場所は移り、ここは空き部屋だ。
泊り客が帰ったあとでゴミや食べかすなど色々と散乱している。
「これは……かなり酷いな。後片付けしない客が居るのか」
「そうね。これは、まだいい方よ。もっと酷い時には部屋が破壊されている時もあったから」
「破壊……それって、もしかして修理代を払わずに逃げたとかか?」
そうらしいようでハルナシアは、コクッと頷いた。
「特にね……このところは他国同士の争いが前よりも酷いのよ」
「そういう事か。前からだったが今は何処でも関係なくしてる訳だな」
「気持ちは分からない訳じゃない。でも、それで迷惑をしている者が居ることを知って欲しいのよね」
どこか遠くをみつめハルナシアは深い溜息を漏らす。
「違いねえ。確かに関係ない者まで巻き込むのは筋違いだ」
「ええ、そうよね。まあ、このことは……あとでゆっくり話しましょう。今は仕事をしないと」
「ああ、そうだな」
それを聞きハルナシアは微笑みレンヴィーノに何をするのかを説明する。
仕事内容を聞いたあとレンヴィーノは作業を開始した。
読んで頂きありがとうございます(^▽^)/
さあ……作業開始となりました。
エミネデウスは余り表情に出さないはずが今回ばかりは気持ちと裏腹に顔が引きつってしまう。余程つらいのだろうな。
いや、ずっと地味な作業をやらされてキツイのだ。
それはそうとセアネシェレは水を含んだ布を絞ることが困難のようだ。そのためギルヴィスは道具を持ってくるらしい。思ったよりも紳士のようだな。
そういえばギルヴィスの年っていくつなんだ? そういえば設定していなかったけど。まあ後々まで関係してくるようなら、そのうち考えておこうか。
それはそうとレンヴィーノの方はどうなるのか? それは次話のお楽しみという事で……( *´艸`)
と、いう事で……(*^^)v
では、次話もよろしくお願いします(*^^*)




