疑問と絶句
レンヴィーノはハルナシアと話しながら掃除をする場所へ向かっていたが……。
ここはバルフォードの町にあるルゼバスの宿屋だ。
レンヴィーノはハルナシアと話をしながら通路を歩いている。
「この宿は前に来た時よりも随分と大きくなったよな」
「そうなの? アタシは最近この町に来て、ここで働いてるから」
「そうだろうな。オレが以前に泊まった時には居なかった」
何かを疑うかのような目でレンヴィーノはハルナシアをみた。
「それはそうと、レンヴィーノは色んな町を旅しているのかしら?」
「ああ、セアネシェレとエミネデウスと出逢う前は一人で旅をしていたが……なぜそんなことを聞く?」
「あーうん、そうね。アタシの知っているレンヴィーノかと思ったからかな」
微笑を浮かべハルナシアはレンヴィーノを見据える。
「それはどういう事だ。それに、お前は人間じゃない。違うか?」
「クスッ、さっき匂いって言ってたから……まさかとは思ったけど。流石は竜人ね」
「そこまで知ってるとはな。そのことはルゼバスからか?」
首を横に振りハルナシアは「違うわ」と言った。
「知っていてオレの方に付いたのか?」
「そうなるわね」
「流石は狐の獣人だ。だがオレは、お前を知らないぞ」
どういう事なのか分からずレンヴィーノは不思議に思い悩んだ。
「竜人って、そんなことまで嗅ぎ分けるのね。まあ知られてもいいけど。それとアタシも貴方と逢うのは初めてよ。でも村での言い伝えで知ってた……それだけ。だけど一度でいいから逢ってみたいって思っていたわ」
「なるほど、そういう事か。だが、それだけじゃないよな?」
「そうね……でも、ここでは話せないわ」
キョロキョロとハルナシアは辺りを警戒している。
「この国と関係してることなのか?」
「それは……」
ハルナシアはレンヴィーノの耳元で「そうよ」と呟いた。その後、レンヴィーノにメモ紙を渡す。
「そうか……」
チラッとメモ紙をみたあとレンヴィーノは何もなかったようにポケットへ入れる。
その後二人は掃除をする持ち場へと向かった。
✦*✦*✦
「あ、えっと……なぜ外なのですか?」
なんで中庭に向かって歩いているのか分からずエミネデウスは不思議に思い首を傾げる。
「宿屋の掃除は建物の中だけじゃねえ。庭の手入れや草むしりとか他にも色々あんだ」
「あーなるほどです。だから、こんなに手入れがされてて綺麗なんですね」
「ああ、そういう事だ。今からやる所は、もう少し先だからな」
それを聞きエミネデウスは、コクッと頷いた。
「こっちだ」と言いボプポールは再び歩きだしエミネデウスがあとを追いかける。
✦*✦*✦
ここは一階で階段付近だ。
現在ここにはセアネシェレが居てギルヴィスから何をするのか聞いている。
「今から階段の掃除をする。セアネは手すりを拭いてほしい。僕はその他をやっておく」
「えっと……手すりだけでいいのですか?」
「ああ……今日は、そこだけでいいです。それにセアネが、どれだけ動けるか分かりませんからね」
そう言われセアネは納得する。
「分かりましたわ。それで、どうすればいいのですか?」
「……」
そこまで分からないのかと絶句しギルヴィスは頭を抱えた。
その後ギルヴィスは仕方なく細かく説明する。
それを聞きセアネシェレは把握したあと掃除を開始した。
読んで頂きありがとうございます(^▽^)/
流石はレンヴィーノ。匂いでハルナシアが狐の獣人だと見抜いていた。
ハルナシアはレンヴィーノにメモ紙を渡したけど、なんて書いてあったのかな?
それをみてレンヴィーノは納得していたみたいだけど……。
それはそうとエミネデウスが庭の手入れをするって……。元三帝騎士にやらせるようなことではないように思えます(;^_^A
って書いているのは私なんだけどね:(;゛゜''ω゜''):……。
それよりもセアネシェレは本当に何もしたことがないみたいですね。さて、どうなるのでしょうか? それは後のお楽しみという事で( *´艸`)
と、いう事で……(^_^)/
では、次話もよろしくお願いします('◇')ゞ




