軽い稽古も無理(泣き)
いよいよセアネシェレとエミネデウスの訓練が始まったものの……。
いよいよセアネシェレとエミネデウスの特訓が始まった。
とにかくセアネシェレは体を鍛えなければいけない。そのため現在、柔軟体操をやっている。
一方エミネデウスは木剣で素振りを百回したあと施設内と外にある訓練用の装置を使い稽古をしていた。
二人のその様子をレンヴィーノは交互にみている。
(退屈だ……みてたらオレもやりたくなってきた。だが……目をはなすとセアネはだらけるしな。まあ、エミネデウスは真面目だから問題ねえ。放っておいても安心だ)
不安な眼差しでレンヴィーノはセアネシェレを見据えていた。
✦*✦*✦
「ムーリー……このメニューを一日で熟すなんて異常ですわ」
レンヴィーノが心配している最中セアネシェレは案の定だらけている。
「セアネ! まだ休憩には早いぞ」
そう言いながらレンヴィーノはセアネシェレのそばに歩み寄った。
「そんなことを言われても……いきなりこんなキツイ稽古はないと思います!」
「キツイ? まだ一、二回しか腹筋していないよな? それに他のも、いくつかやってやめてるし」
「ええ、こんなの私には無理です。他の方法はないのですか?」
それを聞きレンヴィーノは呆れ果て頭を抱える。
「いい加減にしろっ! 強くならないといけねえんだよな?」
「そ、そうですが……こんなにキツイとは思いませんでした」
「ハァー……仕方ねぇ。じゃあ、オレが手伝ってやる。それと一つずつできるようにしてった方がよさそうだな」
なんだかんだと云うもののレンヴィーノは結構あまいようだ。
「レン……ありがとうございます」
そう言われレンヴィーノは顔を赤らめ照れている。
「あ、ああ……じゃあ……やるか」
その後レンヴィーノは手取り足取り丁寧に……いや、手取り足取り厳しく接し指導した。
「ハァハァハァ……待って……キツイわ」
「……どんだけ体が硬いんだよ(汗)」
ジト目でレンヴィーノはセアネシェレをみる。
「そう言われても……今まで運動らしいことをしたことがないのですもの」
「そうだったな……んー、どうしたらいい? こんなんじゃ何時になっても先に進めねえぞ」
そうこう考えているとエミネデウスが一通りのメニューを熟し二人のそばへきた。
「どうしたのですか?」
「エミネ、もう終わったのか?」
「ええ、クリアとはいえませんが一通りやってみました」
疲れているのだろうが表情に出さずエミネデウスは微笑んでいる。
「そうか……セアネの方は難航している。ここまで体が硬いとは思わなかった。メニューを組み直したのがいいかもしれない」
「なるほどですね。女性と男性では体のつくりが違いますので、そのせいもあるように思えます」
そう言われレンヴィーノはセアネシェレをみながら思考を巡らせた。
(確かにエミネの言う通りだ。だが……女が強くなるためのメニューを、どう決めたらいい? そういえばアイツはどうやって強くなった?)
昔、一緒に冒険していた女勇者のことをレンヴィーノは思い出している。
(確かアイツは……貧しい生まれで食うに困って色んなことをしてたって言っていたな。日常の中で何時の間にか自然と強くなっていたとも言っていた。
ってことは……基本ができてないセアネに必要な物。なるほど……試してみるか)
何かを思いつきレンヴィーノは、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「いいことを思い付いた」
「まあ、何かしら? それって楽しいことですよね?」
「レン……何か企んでいませんか?」
ワクワクしセアネシェレが胸躍らしている一方でエミネデウスはレンヴィーノの表情をみて不安になる。
「企んでいる……まあ否定するつもりはない。これはセアネのためにもなるしオレ達にもいいことだぞ」
セアネシェレとエミネデウスは、どういう事なのかと不思議に思い首を傾げた。
その後レンヴィーノはセアネシェレの新しい訓練メニューを説明する。
それを聞いた二人は、なるほどと納得した。
「じゃあ、オレはルゼバスの所に行って交渉してくる」
「私も行きますわ」
「そうですね。レンだけでも大丈夫だと思いますが私もついて行きます」
ハァーっと溜息をつきレンヴィーノは「分かった。ついてこい!」と言い歩きだす。
それをみた二人は「待って!」、「急に歩きださないでください」と言いレンヴィーノを追いかけたのだった。
読んで頂きありがとうございます(^▽^)/
さてレンヴィーノはセアネシェレに何をやらせようと云うのか? ルゼバスに交渉するってことは?
まあ、それはさておき……セアネシェレはこれで本当に勇者として成長できるのだろうか? 不安しかないのだが( ̄▽ ̄;)
そっちも気になるけどレンヴィーノは過去に女勇者と旅をしていたらしいことが今回わかった。
それもその女勇者は貧しい生まれだったらしい。でも仲間とは言ってたけどレンヴィーノとの関係って、それだけだったのかな?
それは後々語っていこうと思います。あー謎が、ドンドン増えていくぞっと:(;゛゜''ω゜''):
と、いう事で……(⌒∇⌒)
では、次話もよろしくお願いします( *´艸`)




