他愛のない会話と微妙な気持ちと好奇心と
エミネデウスはセアネシェレとレンヴィーノの様子をみて微妙な気持ちになり……。
セアネシェレはレンヴィーノとエミネデウスに色々と聞いていた。
因みに現在レンヴィーノは人間の姿になっている。
「名前の呼び方なのですがセアネでいいです」
「なるほど……その方が呼び易いな。じゃあオレはレンでいい」
「確かに、その方がいいですね。では私はエミネでいいですよ」
だいぶ三人は仲良くなったようだ。
「分かりましたわ。それでレンにエミネ、これからどうするの?」
「エミネの予定じゃ、この国を早急に出るってことらしい」
「ええ、そろそろ追手がくるかもしれませんので」
はて? とセアネシェレとレンヴィーノは首を傾げた。
「どういう事だ? これは芝居だったはずじゃ」
「レン、その通りです。ですが芝居だとしても民衆に本当なんだと思わせなければいけません」
「そういう事か……じゃあ早く国外にでねえとな」
レンヴィーノがそう言うと二人は頷き立ち上がる。あとからレンヴィーノは立ち上がり周囲を見渡した。
「今のところ大丈夫そうだな」
「流石は竜人ですね。遠くがみえるとは」
「目だけじゃない。鼻も嫌なくらいにいい」
溜息をつきレンヴィーノは無作為に一点をみつめる。
「まあ大変ですわ。普段から体の匂いに気をつけないと」
「プッ……アハハハハ……駄目だおかしい」
「なぜ笑うの? 臭いのは嫌ですよね」
ムッとしセアネシェレはそう言いレンヴィーノを睨んだ。
「あー悪い。いや、大丈夫だ。セアネからは、いい匂いしかしないからな」
そう言われセアネシェレは、ドクンと胸の鼓動が高鳴り顔を赤らめる。
二人の様子をみてエミネデウスはセアネシェレのことが気になっていたため微妙な気持ちになった。
(セアネシェレはレンのことが好きなのでしょうか? そういえばレンは、なぜセアネシェレを助けたのでしょう)
不思議に思いエミネデウスはレンヴィーノを見据える。
「レン……あーえっと、ありがとうございます」
「あ、ああ…………それよりも急ごう」
照れているようでレンヴィーノは顔を赤くしセアネシェレから視線を逸らした。
「そうですね……急ぎましょう」
エミネデウスはそう言い歩きだし、そのあとをセアネシェレとレンヴィーノが追いかける。
✦*✦*✦
ここはサンビアル城の中にある救護室。この場所にはオルカリックとバンベルが居てベッドに寝ていた。
そう、あのあと二人は処刑場から救護室へと運ばれたのである。
現在オルカリックは目覚め仰向けになったまま天井をみつめ考えていた。
(この俺が負けた。それも得体の知れない者にだ。いったい何者なのか? もう一度だけでいい……会って戦い方を学びたいが。この有様ではなにもできん。それに追いつけるかも分からない)
思考を巡らせながら自分もエミネデウスと共に行動できればよかったのにと後悔している。
(うむ……怪我を治したら陛下に進言してみるか。許可が下りるかは分からないけどな)
考えが纏まると再び目を閉じ眠りについた。
✦*✦*✦
片やバンベルはベッドに横たわり、ボーっとしている。そう怪我の程度は軽かったからだ。
(オルカリックを倒した者は何者だ? 俺も戦いたかったぜ。怪我が治ったら追いかけたい。だが国を出るという事は今の地位をなくす。いや、そんなのどうでもいいこと……俺は怪我を治して追いかける)
ニャッと不敵な笑みを浮かべ更に思考を巡らせていたのだった。
読んで頂きありがとうございます(^▽^)/
これは何時もの三角関係になるのか? まあ恋愛小説じゃないので、それはどうでもいいのだが。
オルカリックとバンベルはレンヴィーノのことが気になっているようだ。と云っても好きという事ではない。はい、そんなの当たり前だ( ̄▽ ̄;)
今後、どうなっていくのか作者にも分からないwww
と、いう事で……( ^^) _旦~~
では、次話もよろしくお願いします( *´艸`)




