プロローグ⑪❈茶番劇と聖剣の仕打ち
レンヴィーノにオルカリックがやられカイノヴィスは深刻に悩み……。
特別に設置された建物内ではカイノヴィスとミュハルドがレンヴィーノとオルカリックの戦いをみて驚いていた。
「こ、これはどうなっておる? あの男は何者だ!」
「陛下……何者かは分かりません。ですがセアネシェレを助けようと現れた。それならば聖剣となんら関係する者か、ただみていられず助けに現れた物好きかです」
「うむ……どちらでも構わん。それよりも、こうも強い者が世の中にいるものなのか?」
小首を傾げカイノヴィスは思考を巡らせる。
「世界は広いですので我が国よりも強い国も存在するでしょう。それを考えれば、あの男のように強い者も居ておかしくないかと」
「そうか……それならば我が国は、まだまだという事だな」
「そうなります。我が国は剣術や体術よりも魔術を強化しすぎたかもしれません」
それを聞きカイノヴィスは納得した。
「そうだな。これからは色々改革をせねばならぬかもしれぬ」
「これも神の思し召しなのでしょう」
「それでも、やはり女が戦いに出ることは反対だ」
カイノヴィスはそう言い難しい表情で無作為に一点をみつめる。
「ですが神はセアネシェレを選びました」
「ああ、だから……この茶番劇をやらせたのだ」
「このあとのことはエミネデウスに任せてありますので問題ないでしょう」
そう言われカイノヴィスは、うむ……と頷いた。
✦*✦*✦
ここは処刑場。エミネデウスとバンベルはレンヴィーノがオルカニックを倒したことにより予定を変更することにする。
「バンベル、予定を早めます」
「分かった。それにタイミングも良さそうだ」
「ええ、じゃあ予定通りに……」
それを聞きバンベルは、コクッと頷きバトルアックスを構え直したあとエミネデウスを思いっきり蹴った。
蹴られ後退するもエミネデウスは、なんとか耐える。
「セアネシェレを連れて逃げてください」
レンヴィーノにそう言いエミネデウスはレイピアを構え直した。
「ああ、分かった!」
頷くとレンヴィーノはセアネシェレの方へと向かい駆けだす。
それをみたバンベルは阻止するためレンヴィーノを追いかけようとする。
示し合わせたようにエミネデウスは即座に動き氷を纏ったレイピアでバンベルの肩を刺した。
「私に背中をみせるとは……貴方らしくありませんね」
バンベルの肩は刺されて一部が凍りつく。
「ツゥー……やってくれたな」
肩を押さえながらバンベルはエミネデウスを睨んだ。
その後エミネデウスはバンベルを倒し……眠らせるとレンヴィーノのあとを追いかける。
✦*✦*✦
一方レンヴィーノはセアネシェレの前まで来ていた。
(はあ……なんでオレが人間の手伝いをしてるんだ? まあ自分で首を突っ込んだんだから仕方ねえか)
そう思いながらレンヴィーノはセアネシェレを抱きかかえる。それと同時に聖剣はレンヴィーノの尻を思いっきり叩いた。
「い、イテェー……何すんだ! このクソ聖剣があぁぁあああ!!」
余りの痛さにレンヴィーノは大声で叫んだ。
近くまで来ていたエミネデウスは、どういう事だと思い首を傾げる。
その後もレンヴィーノはセアネシェレを抱えたまま聖剣に追いかけられ処刑場から去っていく。
そしてエミネデウスは不思議に思いながらレンヴィーノのあとを追ったのだった。
読んで頂きありがとうございます(^▽^)/
さて、やっと話が進んだぞ。
ていうか無理矢理感はあるけどね( ̄▽ ̄;)
それはそうとセアネシェレを抱きかかえたレンヴィーノに対して、なぜ聖剣が思いっきり尻を叩いたのだろう?
聖剣はレンヴィーノのことを嫌ってるのか?
それとも他に何かそうする訳があるのか?
それは後々分かること( *´艸`)
と、いう事で……(=゜ω゜)ノ
では、次話もよろしくお願いします(*^^*)




