プロローグ⑨❈強者と疑心
レンヴィーノはオルカリックと戦闘になるも……。
「何者か知らんが、そこを退いてもらおうか!」
剣を構え直しオルカリックはレンヴィーノを睨んだ。
「オレが誰かって? さあな……フンッ、名乗る訳ないだろうが。それと退く気はねえよ」
口角を上げ笑みを浮かべるとレンヴィーノは腰を低くして短剣を持ち直した。
レンヴィーノとオルカリックは睨み合い、ピクリとも動かない。
(この男……かなり場慣れしている。下手をすれば俺の方がやられかねない。いったい何者なんだ?)
慎重に機を窺いレンヴィーノの隙を探る。
(かなり慎重になってるな。いい判断だが……何時までも、こうしてたって仕方ねえか)
そう判断するとレンヴィーノは即座に短剣を逆さに持ち足を一歩まえに踏み込んだ。
レンヴィーノが動いたことでオルカリックは今だと思い剣を斜め上に構え振り下ろした。
振り下ろされた剣の刃に目掛けレンヴィーノは即座に短剣の刃で防ぐとオルカリックの腹を軽く蹴る。
それほど力を入れていないにも拘らずレンヴィーノの蹴りは威力があったらしくオルカリックを数メートル先まで吹き飛ばした。
「あっ、ヤベェーやり過ぎた」……(思ったほど強くない。これで、この国の頂点なのかよ。こんなんじゃ……敵に攻められたら、あっけなくやられるな。それだけじゃない。魔族に襲われたら、どう対処するつもりだ?)
本当はやり過ぎてはいない。だが自分の正体がバレるとまずいため、そう言ったのだ。いったい何者なのだろうか。
「ゲホッ……ク、なんて威力のある蹴り……本当に……お前は何者なんだ」
腹を押さえながらオルカリックは剣を杖の代わりにして立ち上がる。顔が引きつっていた。
「三帝騎士さまに名乗るほどの者じゃないんでね。そもそも名乗っても知らないだろうしな」
「……あくまで名乗らないつもりか」
「ああ……まあ場合に寄っては名乗っても構わない」
不思議に思いオルカリックは首を傾げる。
(恐らく、この国の者ではないだろう。だが、ここまで強い者のいる国とは何処だ? 場合に寄っては名乗る……俺たちが信用に値すると認めたらという事なのか。
まさか……神の使いか? いや、いやいや……それはない。こんな素行の悪そうな者が、そうであるはずない)
思考を巡らせながらオルカリックはレンヴィーノを見据えた。
✦*✦*✦
「エミネデウス、これはどうなっている?」
バトルアックスを構えながらバンベルはエミネデウスを睨んだ。
「なんのことを言っているのですか?」
「あのオルカニックを軽々蹴り飛ばした男のことだ」
「ああ……そのことですか。私にも分かりません。ですが協力してくれるらしいので敵じゃないようです。それにしても、かなりの強者みたいですね」
微かに笑みを浮かべエミネデウスはレンヴィーノへ視線を向ける。
(こうは言いましたが……本当に何者なのでしょうか? オルカリックを簡単に蹴り飛ばしてしまうとは……敵にまわしたら厄介ですね)
そう思いエミネデウスはレンヴィーノを見据えた。
読んで頂きありがとうございます(^▽^)/
レンヴィーノはオルカリックと戦うが、いきなり力の差をみせつけてしまった。
本当にレンヴィーノは何者なのか?
人間ではないのは確かだけど……。
流石に神の使いではないよなぁ(^^;)
さて、少しずつ正体を明かしつつ……。
てか……主人公はセアネシェレです。ですが目立っているのはレンヴィーノ……アハハハハ……( ̄▽ ̄;)現実逃避……ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘ニゲル!
と、いう事で……ヽ(*^ω^*)ノ
では、次話もよろしくお願いします♪( ´▽`)




