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探偵 ――「rencontre」

一人のとある心優しい青年のお話です。

*2012年8月に全面改稿しました。

 人間としても、探偵としても、半人前である俺――(かみ)(しろ)(たつ)()は、まだ短い人生の中で、沢山の人と出会った。


幼馴染

後輩

友達

師匠

依頼主

先輩

宿敵

恩人

etc.


 それぞれ、共にいた長さも違うし、関わった深さも違う。俺にとっては浅いような関わりであっても、相手にしてみたら深い関係だったのかもしれないし、その逆もあるかもしれない。人間関係なんて、そんなものだと思っている。それぞれに皆、感じ方や考え方が違うのだから。むしろ全部同じという方が、気味が悪いというものだ。

 だが、そんな些細な事はどうであれ、俺はこの“出会い”によって、様々な影響を受けた。それだけは、確信を持って言える。そして、その人達との“別れ”によって、色々な感情を得る事が出来た。それらは全て経験として身体に、そして心に蓄積され、俺という人間を形成していく。

 ……俺も、それだけの影響を他の人に与えられていたら良いんだけど。

 しかし、影響を受けるという事は同時に、感化される事でもある。その人の思想や生き様、性格や癖に至るまで、“人間”を形成しているパーツは全て、何かしら、誰かしらのものを知らず知らずのうちに真似していると言っても、決して過言ではないだろう。それだけ、人と人との関わりは重大であり、要である。

 俺個人の意見としては、“自分”とはそのように人と関わっていく中で、模倣を繰り返し、最後にオリジナルとして形成されるものだと思っている。それ故に、人は時に迷い、時に惑うものである、と。



 だから、これは俺、“神城龍貴”という一人の人間が、俺と関わった人達によって形作られ、己の道を歩み始めていく物語。


という訳で、数年のブランクを経て、全面改稿と相成りました。

今回は“神城龍貴”について、彼以外の他の人の口から思い出を語るという形で、彼の真の姿に迫っていこう、というコンセプトでお送りします。

短編連作ではありますが、より統一感を出していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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