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距離感がバグってる 弍

「いってらっしゃーい」

 

 瀬菜に見送られて、三太と文七は屋敷を後にした。

 

 目的地については資料を見た段階で把握している。地元民であれば誰一人迷うことなくたどり着ける場所だ。なにせ、どこにでもある平凡な住宅街の一角でしかない場所なんだから。

 

 かかる時間は徒歩で四半刻ほどだろうか。道中会話もないのも嫌だったので、三太は何かないかと思案を巡らせる。例えば、今も目の前で二足歩行で歩いてる理由とか起き抜けには普通の猫だったのにどうして巨大化しているのかとかそもそも猫なのにどうやって話すことができるのかとか。いや、大半の理由は『渡来人』だからで済みんでしまうのだが、どうしても気になってしまう。というか、聞きたいことがありぎて話題の選択ができない。

 三太の頭の中で思考がぐるぐると渦巻き、三太自身訳がわからなくなってきたところで、


「なんか、距離感がおかしいんです」


 ぽつりと。

 三太自身が予想していなかった質問が飛び出した。


「あ?」


 あまりにも脈絡のない質問に、流石の文七も訝しげな表情を向けて立ち止まってしまった。その反応に、三太は火が噴き出るような恥ずかしさを覚え、咄嗟に否定しようとしたがうまく言葉が出なかった。


「んー、なんだ。あれか、瀬菜のことか?」


「あ、その、はい。そうです」


 数秒の間は空いたが、文七は三太の質問の意図を正確に汲み取ってくれた。

 

 そう、瀬菜の三太に対する距離感についてである。


「なんていうか、近すぎるっていうか。正直、学生の頃はそこまで仲良くなったので、その、どうしたらいいのかわからないんです」


「それについちゃ、俺だってお前さんと同じ気持ちだよ。お前さんら付き合ってたわけじゃないのか?」


「違いますよ! そりゃ、昔から同じ組でしたけど、卒業してからは全然会ってないし」


「だろうな。おれだってお前さんを連れてくるまで男っけのない娘だと思ってたしなあ」


 むむむと腕を組んで悩む文七。見た目が猫なので苦悩している姿もどこか愛らしい。三太は思わず頭を撫でたくなったが、すんでのところで正気に戻って、途中まで伸びた手を慌てて引っ込める。

 

「ただまぁ、きっかけはわかってる。お前さんだって気づいてるだろう?」


「気づくっていうか。でも、そのただ思ったことを伝えただけで」


「おいおい。お前さん、案外鈍感だね」


「心の底から綺麗だって言われて、なにも思わない女なんていないと思うぜ? まして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

投稿遅くて申し訳ありません。


最後まで絶対に

書き上げるので何卒お付き合いください。

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