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side:月島 茂
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一体、、、何が起こっているんだ。
今日は本当に散々な日だ。
目覚ましの不具合によってアラームが鳴らなかったため、遅刻寸前になった。朝ごはんも一口も食べていない。急いで走っていて人とぶつかった。電車に忘れ物をした。
でもそんなことは些細なことだ。
この現状と比べたら。
何が起きてる。誰か説明してくれ。
いや、違う、俺が説明しなければいけないんだ。どうやってみんなを落ち着かせる?みんなの安全を確保しなければ。桜道高校の副生徒会長として。
「み、みんないったん落ち着」
「しゃらぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっっぷ!」
俺が震える声を絞り出そうとしたタイミングで、学校中に聞こえるほどの大声が響き渡った。
よく通る声。思わず耳を傾けたくなってしまうカリスマ性。声のする方を見れば、そこには生徒会長がいた。
白石 かえで。一年生の時から生徒会長に選ばれ、3年連続で生徒会長を務める異例の存在。
小さい頃は両親の事情でアメリカで育ったらしく、日本語も英語も両方操るバイリンガルである。
成績優秀スポーツ万能。そして何よりそのビジュアル。
道を歩けばスカウトされる。実際にモデルとして活躍している。ただ本人はアルバイトとしか思っておらず、将来は学者になると言っていた。
俺が副生徒会長になった理由は他でもない、生徒会長に少しでも近付きたいからだ。初恋は叶わないというが、俺は叶えて見せる。
と、心は中では威勢がいいのだが実際には、少し問題が起きただけですぐに慌ててしまうし、副生徒会長の器のようなものは俺には無い。
実際今も、何が起きたのかわからないこの状況で、体が震えている。
それでも。
誰もが混乱してパニック状態にあるその中でも。
白石かえでだけは動じない。
俺は、その姿を見ただけで、思ってしまう。今日も美しく、かっこいい。
白石かえでの一言で、生徒たちは一瞬しずかになった。
これを機に先生たちもやるべきことを思い出したのか、自分のクラスの生徒たちに声をかけ始めた。
「よく見なさい。何にも攻撃してこないわ。」
見る?攻撃?
そうだ。たしかにそうだ。
突然現れた沢山の化け物たち。
多くの生徒はそれに対して怖がっている。
しかし実際にはどうだ。騒いでいるのは人間ばかりで、化け物たちは声ひとつあげない。そればかりかほとんどその場を動かない。
誰かに危害を加えようとしている化け物は1匹もいなかった。
生徒たちは、ふと我に返って落ち着いて周りを見る。化け物といっても、中にはとても可愛い動物のような見た目のものもいて、足元ですりすりと頬擦りしている様子は、まるで飼い主に懐く子犬のようだった。
白石かえでは頃合いを見てさらに続ける。
「こういう時は大体こう言えばいいのよ。ステータスオープン!!!」
一瞬何を言っているのか分からなくなった。でも生徒会長というのはそういうものだ。この3年間、生徒会長が間違えたことは1度もない。
意味がわからない行動をしても、理解できない発言をしても。最終的には全て最高の結果として返ってくるのだ。だから信じてついていけばそれでいいのだ。
「ほら、やっぱりね。みんなもやってみなさい。」
その一言で、生徒たちは口々に叫んだ。
「ステータスオープン!!!」
すると突然目の前に何やら半透明の画面が現れた。よく映画とかで見るような青白いホログラムにそっくりだ。
俺は周りを見てみる。しかし、ほかの生徒たちにはこのホログラムのようなものは出ていないようだった。俺だけ、、?いや、自分のものしか見えないんだ。
その証拠に、ステータスオープンと言った生徒たちは口々に、「うわ何だこれ」「え!?まじ!?」「異世界転移きたぁぁぁ」などと騒いでいる。
異世界転移、、そっか。ここは地球じゃないのか。
普段なら鼻で笑うような話だが、これだけ異様な光景を次々と見せられてしまっては、むしろ納得せざるを得なかった。




