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Another Plate  作者: おさむ〜修
2/5

図書館 第2フィルム 書物と"デンキ"

段々と目が冴えてきて光の外側の景色もはっきりと見えるようになった。

落下の衝撃で少し痛む肩を抑えつつも周りを見渡した。

ほかのメンバーも大したダメージは受けていないようだった。


バスラ「隊長物凄い反応速度ですね。おかげで僕達も怪我しないで済みました。」


大したダメージがなかったのは第1小隊専用の探索用スーツの力のおかげと言ってもいいが、グレイヤの咄嗟の呼びかけがなければ確実に骨の一、二本は折れていた。


グレイヤ「……、おう。まあ、心臓に悪すぎるのは変わんねえがな。とりあえず、怪我はなくてよかった。」


バスラはグレイヤにしては歯切れが悪かったことに少しばかり驚いた様子を見せた。


グレイヤ「んな事より、今は目の前のことに集中しろこの建物のどこがダメージが大きいかとかわかんねえから。また、何か起こるかも知んねえ。今度こそ怪我するぞ。」


しばらく周りを探索したところどうもここは書庫だったらしい。

だが、とても読めるような状態じゃない本がほとんどで、読めるものでも大した情報も得られなかった。


バスラ「みんなぁ!どうやら、ここは第2書庫って場所で古い本の保管スペースみたいです。他にも、改築される前の地図なんかもあるんで、とりあえず僕が持っときます!ここの骸骨が持っていたものなんでちょっと臭いますけど。まあ、ここに充満している匂いと差程変わりませんが。」


一同「了解。」


グレイヤ「それはありがてえな!ちょっと俺も見てえからその本貸してくれ。」


こう見えてもグレイヤはものすごく頭が良い。

まあ、学校での勉強は嫌いすぎてやらなかったらしいが。

そして、グレイヤが内部構造確認した後あと他の隊員も確認し、本の素材の主流が石灰になってからの本があるという第1書庫に行くことになった。

今は重要文献の確保をメインとする第2小隊がいないために、とりあえずは重要文献の洗い出しを行うことしか出来ないわけで、足止めを食らうことは目に見えている。





ダニエラ「お?いよいよ図書館らしくなってきたじゃねぇか。相変わらず真っ暗闇だけどよぉ。」


そのごつい腕で軽々と倒れた本棚を戻していく。もったいないからという理由で探索用スーツを使っていないのにも関わらずだ。


レイ「ダニエラさんはもうちょっと女らしくしてみてはどうですか?魔鉱石はまだまだあるんですから。」


ライア「でも、(ねえ)さんの力も使わないと勿体なくないっすか?それに、今更女らしくしてみた所でなんも変わんないっすよ。」


その2人の言葉を聞いたダニエラが物凄い形相で振り返った。


ダニエラ「てめえら、今なんて?まるで俺が女じゃねえ見てえじゃねえかよ。俺をよく見てみろ。女らしさの権化だろうが!!」


思わず2人の背筋が伸びる。

さすがにこの男勝りすぎる性格を前にすると、どんなやつでも震え上がる。


ダニエラ「とにかく、てめえらは重要文献でも探しとけ。もう少しでエントランスの重要文献を全て確保し終わるだろうから、第2、第3小隊が来る前に見つければ仕事もスムーズになるだろ?」


その言葉を聞き終えた直後にまたもや2人は固まった。

あの脳筋のダニエラが、あの戦闘バカのダニエラが、ちょっとばかし頭の良いことを言ったからだ。しかし、ダニエラは勘だけは鋭い。


ダニエラ「なんか不満でも?」


ライア&レイ「いや、なんでもないです。」


そして、ダニエラが終わる頃にはこれでもかというくらい重要文献だと思われる書物が見つかった。

特に、"デンキ"に関しての文献が多くかった。

ライアが読む限りでは"デンキ"は魔鉱石から発せられるエネルギーと酷似していた。


ライア「これって、魔鉱石がここらでも使われていたってことっすよね?」


レイ「でも、おかしくないです?私達がここを訪れてから1度も魔鉱石なんて見つかったないんだから。」


そう、遠征部隊が魔鉱石を見つけたことはないのだ。

だから、"デンキ"というものが存在するわけがないのである。


ダニエラ「何も魔鉱石だけから"デンキ"ってやつが採集出来るわけじゃないだろ。しかも、ここを訪れたのもつい最近のことだから、魔鉱石を見つけてないだけかもしれねぇんだしよぉ。」


勉強しなかったからこそ言える言葉だった。

物事を知らない分固定概念に騙されることも少なく、物事を柔軟に予測できる。

だから、ある意味ダニエラは天才なのかもしれない。


ライア「そりゃ、そうっすね。あっ、そうだ。ここら辺の書物はほとんど見終わったんで、先に奥の方にあったホールみたいな所も行ってきていいっすか?」


好奇心の塊みたいなこの男はさっきから奥に行きたいという気持ちが強すぎてずっとソワソワしていたのだ。


ダニエラ「分かった。でも、お前1人は危ねぇから俺もついて行く。なんかあっても困るからな。てことで、あとは頼んでもいいか?レイ。」


レイ「了解です。まあ、あと5分足らずでここの仕事も終わるんですぐそっち向かいます!」


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