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5話 経営不振を治す方法

 これは成功すれば良いことだらけだが、失敗すれば余計に厳しくなる一方だろう。だが、ハッキリと成功する未来が見える。


「銃弾はあるのか?」


「ありますよ、この拳銃の口径に合うのはこの銃弾ですね」


 リュミナがマガジンを不思議そうな顔をしながら幾つか持ってくる。


「あぁ……別にそこまで必要という訳ではないが……まぁ一応貸して貰うよ。じゃあ、作戦の説明に移る」


「は、はい」


「あの集団を根こそぎやっつけて、街から平和を取り戻す。という作戦だ」


「ですがそれではあまりにも危険じゃ……」


 確かにあまりにも危険。だが、それ以上に勝てる見込みがある訳だ。

 俺は剣と銃をベルトに固定し、装備する。


「多分上手くいく。それで、その集団をやっつけた剣士が使っていたのは何処でも売っているような鉄の剣。ただし、ここの店のもの。この店は話題が集まり、いつしか大人気っていう寸法さ」


「なる程……理解出来ました」


 分かってくれて何よりだ。まぁ、いざとなれば装備するだけでも効果のある、レアリティ十星の長剣を装備するだけでも相当変わるとは思うが。まぁあくまでも、誰でも手に入る。と言うのが条件だからな。


「ですがその武器の性能は良く有りませんし……安物なんですよ?」


「リュミナには俺が出て行った時、そんな安物の武器じゃ太刀打ち出来ないよ!! みたいなことを言って欲しい」


「……わかりました。ですがあいつらがいる場所を知っているんですか?」


 ……知らない。いや、だがあいつらなら今頃俺を探しているんじゃ無いのだろうか。


「まぁ、そういう事だから……その……水着はやめないか?」


 ずっと身体にくまなく巻き付けるようにしているようだが……一応俺のなんだからな、それ。めっちゃ嬉しいけど。一生洗いたくないけど。


「水着じゃないとこれ、着れないじゃないですか……?」


 可愛い……可愛い過ぎるぞこれ!! 駄目だ、やはり人を殺す兵器か何かだ。間違いない。

 今、俺は猛烈に上着になりたいと思ってしまった。何故なら……その何も知らないような綺麗な両股に挟み込まれ、擦られているただの布が羨ましすぎるからだ。


「いや……別にいつでもやるから今は返してくれないか?」


 いつでも貸すことが出来たら……俺はなんて幸せなんだ。

 いや、それ以前に通り名がTシャツの剣士って言うのも嫌だし。


「あっ……はい!! そうですね、いつでも貸して頂けるなら!!」


 案外と聞き分けは良いし、同時にいつでも貸してあげられる権利も得た。

 いや、待て、一見こういうのはラッキーに見えるが、いつでもできるというのなら、特別感が無くなってしまわないか? それはそれで失敗だったのかもしれない。まあいいや。


「ありがとうございました!!」


 妙にエロさ醸し出しながら、貸した上着を脱ぎ、渡してくる。


「まあ、ありがとう。着替えて来たらどうだ?」


 上着からいい匂いがする!! ヤバい、早く俺の前から消えないと君の中にあるであろう俺が崩れるぞ!!


「分かりました。それでは着替えて来ますね」


 ふぅ、やっと着替えに行ってくれるようだな。とりあえず羽織ろう。

 ……あぁ、駄目だ。天に召される。全身から柔らかい花の香りがする。これは天への誘いか……?


「着替えて来ましたよ!! じゃじゃーん!! って……何か召喚するんですか?」


 両腕を広げて、何かと交信している謎の不審者が武器屋に一人。

 紛れも無く俺だ。

 それはそうと、リュミナの準備が終わった……のか?


「なんだそれ」


 タオル一枚。ただの一枚の布が胸やら大事な場所を隠していた。


「何って……これからいっぱい私に……」


 俺はこういう時、どういう顔をすればいいのか。そこまで互いのことを知らないような人間達がこうなる場合は……一体どんな顔をすれば……。


「どうかしましたか?」


「あの……俺の話を聞いていたか?」


「はい!! それはもう一を聞いて十を知った位ですよ。もう!!」


 一を聞いてもはやいらないところまで深読みしたよな、その格好。


「じゃあ言ってくれ……」


 不安でしか無いが。不安の塊だが。


「乙女にそんなこと言わせるんですか!?」


「どんなことだよ!?」


「……襲って……それはもう獣のように……」


 こんな普通にしていれば清楚で可愛らしい容姿をしているが、本当はこういう奴なのか。悪いがちょっと引いた。


「あいつらをぶっ殺すんですよね!! 惨たらしく、この世に未練を残させる形で、一番苦しむ方法で!!」


 めっちゃあいつらに対して恨み憎しみを持ってた!! 少しでも卑猥な事を考えているのではないかと思った俺を許してくれ。ただ、結局引いたことには変わりなかったが。


「そしてお客様は増え、繁盛!! 私達は日々疲れる身体を互いに委ねて二人おでこを合わせて眠る……キャー!! 凄い良い!!」


 一応は……まぁ、うん。


「どうやら少々記憶がおかしくなっているようだが、まぁいい。それでその服装は一体?」


「これですか?」


 リュミナはニヤリと目を輝かせた。


「取ってみます?」


 え、良いのか? 一枚の布を剥ぐという一世一代の名イベント、こんな感じで消費してもいいのか?


「頑張る貴方へのご褒美なのですよ? あっ……言っちゃった……」


 そういえば……首元に紐があるな。という事は下には服があると見て良さそうか? ならそういう事だ。手加減はしない!!


「おりゃあ!!」


 布を勢い良く取り外すとそこには……。


「ふふーん!! どう……です……か……」


 何も着けていなかった。急いで目のやりどころを探す為、上を向いたら、着けていたであろう物が吹き飛んでいた。


 次の瞬間、俺の意識も吹き飛んだ。

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