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プロローグ

「君には……そうだね、ステータスが貧弱な分、良い能力をあげよう」


 椅子に座り、足を組んでいる女神と名乗る少女の前に俺はしたから見上げるように座っていた。

 こうなったことの発端は昨日のことだろうか。確かあの時はただ寝ていたに過ぎなかった。勿論、夢なんかも記憶にない。ただ、起き上がったその時に俺は妙な息苦しさを感じて、そのまま助けを求めることも出来ずに死んだ……らしい。

 後からこの女神と名乗る少女から聞かされた話だが、原因は魔力急激膨張による死だったと言う。希にこう言った魔力の器が無い者に起こるのだそうだ。

 初め、この事を聞かされた俺からすれば魔力なんてものは創作物の中のものでしかないと思っていたが、どうやらあちら側の世界では普通にあるらしい。


「君は、それはそれは回避不可能の可愛そうな死に直面しているからね……そんな君に、次こそは良い人生を送って欲しいと思うんだ」


 未だ信じられないこの瞬間を俺はただ見ているだけだった。


「君の能力は武器を手に持った時、その武器種によってステータスが変動するっていうもの。名付けてウェポンズステータス!! なんて呼ぶかは君次第だけど。これは君のその貧弱なステータスには良いかなって。因みにこれは良い武器程効能が上がるから。でもそれだけじゃあこの悲惨な死を迎えた人に対する詫びって言うのがなってないから、オマケにもう一つ用意したよ、自分の今のステータスを可視化出来る能力。それにこの能力の凄いところは、物に名前を付けて、異空間に保存出来るってところ。これは便利過ぎる!! また、武器を手に持った時にその武器種と何処のステータスが上がったのかを知らしてくれる機能もあるから。是非有効活用してくれたまえ。はっはっは」


 女神はそう軽快に笑う。

 軽快に笑った後で、女神はキリッとした表情になると更に口を開ける。


「魔力急激膨張による死を受けた人間が異世界転移すると予期せぬ出来事が起こるケース極めて高いの。それでも異世界転移させるのが私の役目だから……頑張ってね」


 本当に真剣に締めくくると、次の瞬間、俺の身体はふわっと宙に浮くような、無重力状態にあるような感覚を伴った。


 こうして、ほぼお決まりの如くして俺は異世界に旅たつこととなった。心の奥底には女神が最後に言ったその言葉がどうにも引っかかっていた。予期せぬ出来事……。

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