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虐殺の転生者  作者: 鼻眼鏡26号
5/7

4話



所変わってモニタールーム。

ここでは、試験の様子を試験監督が集まり不正などを監視する場所。

その場所には現在5人の試験監督が見守っていた。



「アリシア…お前の連れてきたやつ案外やるじゃねぇか。」



「戦いに関しちゃまだまだだがな。まさか俺らの連れてきたやつがあんな簡単にやられるとはな。…さて、撃破されちゃあ俺たちはあいつらに追放の話をしねぇといけねえから先に出るわ」



この二人は先ほどユイトが撃退した試験官でこの二人も背中にはⅣと書かれた白コートを着ていた。

その二人は



「…ほ…ほんとにすごいですね〜」



アリシアは開いた口が塞がらないほどの衝撃でまさかユイトがここまでやれるとは思っていなかったのだ。

この試験に出る条件は約半年のウォーリア基地訓練所で現場に出ている上のランクの戦士の弟子として教えを貰い最長で半年間の間に試験の許可を得て資格を得るのだ。

ちなみに半年間の間で見込みなし又は問題行動などを起こした者は誰であろうと追放となる。


そして、アリシアは弟子を取ったことのなく3年間現場に出た事のないのである。



「お前が驚いてどうすんだよ。…連れてきたのはお前だろ。奴についての紙とか貰ったんだろ。」



「読んだには読んだんですけど。ごく最近の出来事以外特出した内容は無かったので…ただの一般人としか思えなかったんです。」



アリシアは上司から受け取った紙を取り出して読み上げる。



「桐生ユイト、二十歳。父、桐生正和サラリーマンと母、桐生美緒(専業主婦)の間に生まれる。3年前の転生者5番の人口半減により両親を亡くす。その後家が隣の幼馴染みである皆川マナとその両親から養子として迎えられる。ちなみに桐生ユイトは皆川マナに恋心があるもヘタれて何もしなかったため、知らぬうちに彼氏を作られるという同人誌メジャーな作品になるかと思いきや、その彼氏が転生者108番である事が発覚。これを桐生ユイトは撃破するも皆川マナが転生者108番を崇拝していた女性にナイフで刺され死亡。その後、転生者が一般人として紛れ込んでいた事実について隠蔽すべく桐生ユイトが皆川マナ殺人犯として終身刑を受ける。……読んでて胸糞悪くなります。」



「……また、3年前の被害者が来たのか。もう何人目だよ。」



「人口半減ですからね。」



しんみりとした部屋の中。

人口半減の被害は他人事ではない、必ずしも自分に近しい誰かを無くしていた。

そんな中にメガネの男は画面に映る二人の姿を見ていた。

目的地である山の頂上に到達し目を瞑り迷走している彼女と、あくびをかきながら歩いて目的地を目指すユイトの姿だった。



「しかし、あいつらは同じ強化スーツを着た人間とは思えないな。1人は出力を超えるスーツを使いこなす彼女と、戦いに慣れてはいないが想像を超える身体能力を持つ奴だ。…後輩ながらすぐに追い抜かれそうだな。」



彼の言う強化スーツとは、ウォーリアの技術班が開発した防具兼身体強化スーツを開発し未知の力を持つ転生者に人間が対抗すべく開発された独自技術である。


しかし



「………あっ!!」



強化スーツという単語を聞いたアリシアは周りを気にせず大声で叫ぶ。






場面は戻り試験会場



「……遠いな〜山の上とか。」



そんな愚痴を零しながらも歩みを止めないユイト。

登山もそろそろ終盤で遠くだが頂上には旗が立っていた。

そしてその隣には、1番初めに飛び出して行った彼女の姿もあった。



「にしても……流石にびっくりしたよな、生身であんな身体能力してるなんてウォーリアはみんな超人集団だな。同じ人間でもあんな身体能力を俺が手に入れるなんて考えられないな。」



さっきの兄弟も頂上に居る彼女もなかなかの力だった。あの兄弟も力では俺に負けているがそこらの力自慢よりは強いだろう。



「突然連れ出されて急に入隊試験って言われるってイベント多すぎだよな〜。」



山を登りながら俺は愚痴を零す。

もう少し説明があってもいいだろと、そう思いながらも足を動かす。



「まぁそもそもな話、他にやることもないしな。」



そう独り言を言いながらも歩きようやく頂上へと到着した。

それほどの高さではないため空気は薄くなくただ遮蔽物が一切無いため余計な邪魔一切入らない。

そして旗のそばで瞑想していた彼女は目を開けゆっくりと立ち上がる。

立ち上がる彼女は、綺麗な金髪で無駄のない肉体を持ち、1つの動作が華やかさを感じさせる。



「…正直言って貴方がここに来る事は考えてなかった。」



彼女の会って一言目がその言葉であった。

その言葉は簡単でわかりやすい挑発でもあった。彼女の中で俺への評価はかなり低いらしい。



「そうかい。まぁ話はいいからさっさと始めよう。残るのは1人なんだし。」



「……始める前に一応名乗らせてもらう。私の名はルビア。私につけられた唯一の名だ。」



ルビア、彼女は名乗りながら腰につけていたレイピア(木製)を抜刀する。



「桐生ユイト、20歳。よろしく。」



俺は拳を鳴らし名乗る。

ここから俺のちょっと変わった人生の続きが始まる。

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