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女神様によるステータス講座 前編 物理編! ひたすら鍛えて物理で殴れ! チェーンソーが強いゲームは良ゲーの法則! 

はたしてチェーンソーでかみはくだけちるのか?

 いや、そんなことを心配している場合じゃない。『ステータス』と一口に言われても、わからないことばかりだ。そこは是非とも詳しく聞いておかないと。


 「ポイントを割り振る前に質問したいんですが」


 「はい、どうぞ!」


 「ステータスの項目がよくわからないんです。『体力』とかは何となくわからないでもないんですが、『魔力』って一体何なんですか? 『魔法攻撃力』とか『魔法耐性』とか、俺、魔法なんて一回も使ったこと無いんですが、っていうか、魔法って存在するんですか?」


 「多加賀幸一様はゲームを始める時、ちゃんと説明書をよく読み、チュートリアルをしっかりとこなすタイプですね?」


 いや、ですね? って言われてもな。


 「そんなしっかり屋さんのあなたのために、私もしっかり説明して差し上げましょう!」


 女神様はドンと大きな胸を叩いた。バインバインと揺れている。

 今から説明に集中しようって時に、あんまり煩悩を刺激しないで欲しい。


 「まず『体力』。これは読んで字のごとく体力をあらわすものです。しかし一言に体力と言っても、色々ありますよね? 筋力だったり、持久力だったり、生命力だったり。早い話が、それらの総合評価が『体力』の項目にあらわれるというわけです。ここまではいいですか?」


 俺はコクリと頷いた。


 「では、次は『魔力』を一旦飛ばして、『物理』とつくものから行きましょう。『物理攻撃力』は、これもその名の通り、物理的な攻撃力を示します。これは現在の『体力』と『装備』を参照して割り出されます。どういうことかというと……」


 女神様がパチンと指を鳴らした。

 すると、俺の目の前に突如として淡い光の玉が生まれ、そして弾けた。弾けた光の中からチェーンソーが出現した。


 「手に取って下さい」


 女神様が言う。言われるままに手に取る。ズシリと重い。本物のチェーンソーのようだ。

 これなら眼の前の神様だって一撃で殺せそうだ。

 何故かはわからないが、ふと、そんな物騒な考えが、ほんの一瞬頭をよぎった。


 「ステータスを確認して下さい」


 ステータスを見てみると、『物理攻撃力』の部分が、さっきまでは『平均』だったのに、今見ると『強い。怖い』になっていた。

 いやいや、『強い』はわかるけど『怖い』ってなんだよ。


 「あの、『怖い』って出てるんですけど」


 「現実の能力を、あくまで擬似的に、ロールプレイングゲーム風のステータスとして変換しているため、曖昧な表現になってしまうのでわかりにくいかもしれませんね。ですが、『物理攻撃力』が高くなったということは、何となくわかりますね?」


 そりゃ何となくはわかる。一応『強い』って書いてあるし。

 だけど、これのどこが『ロールプレイングゲーム風』で、何が『曖昧』な表現なのだろう。

 俺にはふざけているとしか思えないのだが、女神様の表情にはふざけている様子は一切見て取れない。あくまで大真面目らしい。


 「次に『物理耐性』」


 ステータスの表現に関して説明がないということは、これ以上聞いても無駄なことなのだろう。


 「『物理耐性』は、これまたその名の通り、『物理』的な『耐性』をあらわしています。刃物や鈍器といった、物理的な攻撃をどの程度耐えることができるかといった項目です。これも『体力』と『装備』を参照して割り出されます」


 『物理耐性』が平均ということは、人並みだということだろう。つまり、大型トラックに轢かれれば即死する程度の防御力……。


 「次は器用さ(物理)ですね。いわゆる手先の器用さ、運動神経、武具や道具の扱いの上手さなどを総合して算出されます。一口に言ってしまえば、これにポイントを割り振っておくと、『天才肌』になれるということです。これが高いほど、『物理スキル』の習得が容易になります」


 「『物理スキル』……?」


 また、聞きなれない単語が出てきた。


 「今はステータスの説明なので、それについてはまた後で話しますね。続いては多加賀幸一様お待ちかね、『魔法』に関するステータスです!」


 女神様はバチッと俺にウインクして見せた。


 まぁ、確かに『魔法』なんてファンタジックでファンタスティックな単語、気にならないはずないけど、そんなに待ちわびたかといえばそうでもない。

 それよりちょっと気が重い。

 異世界という、海外より遠い所に行って、無事に帰って来られるんだろうか?

 それが気にかかっているから、どうにもテンションが上りきらない。

後編は魔法だよ!

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