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女神様から与えられたのは幸運チートだけ!? そりゃないっすよ!! ~運も実力の内! 運で乗り切れ異世界生活!!~  作者: 摂津守
火剣の勇者誕生編

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久々に『ステータスオープン!』コーイチ、幸運以外も成長中! 男の子は今が伸び盛りだ!

 トイレで用を済ませた後、俺たち三人は宴会場に戻らなかった。宴会場に戻るには酔い過ぎていたし、酒が好きでもなければ、宴会の雰囲気も好きじゃない。

 本当は俺一人、どこか静かなところで休んでも良かったのだが、彼女らは俺に付き合ってくれるそうだ。

 俺たち三人は近場のベンチに並んで腰掛けた。ベンチは大きな木のすぐそばにあり、たくさんの枝葉が広く陰を作っている。


 「ねぇ、あの後どうなったの?」


 ジュリエッタが言った。


 「あの後って?」


 「劇場での決闘の後よ。あなた、魔物を引きつけて劇場から出ていったでしょう? あのおかげで私たちは助かったけれど、あの後、あなたはどうしたの?」


 「ああ、それか。と、その前にこっちから質問いい?」


 「何?」


 「魔物ってなんだ?」


 「あなたって本当に何も知らないのね。今までどこでどうやって生きてきたの?」


 ジュリエッタは心底驚いた顔をした。


 「そういうのとは無縁の世界で生きてたのさ。というわけで教えてやってくれよ」


 「本当、変わった人ね。まぁ、いいわ。魔物というのはね、魔族に使役され、凶暴化した動物たちのことよ」


 「今のでまた新しい疑問が――」


 「魔族のことね」


 「よくわかったな」


 「もう大体察しがつくわよ。魔族は異界からの侵略者。魔族に関してわかっていることはそれくらいね。この世界の生きとし生けるものの敵よ」


 「壮大だなぁ」


 「かつては魔族と激しく戦争していたけど、それももう昔の話。私が生まれるより少し前から、一匹の魔族すら確認されていないわ。それからは魔物も激減していたんだけれど、まさかあれだけの大量の魔物が出てくるなんて想定外だったわ。領主様もこの件を重く見ているの。さしあたっては、街の周囲に警備の兵を配置しているわ。そのうち、あなたにお呼びがかかるかもしれないわね」


 「勘弁してくれよ。俺はたまたま運良く生き延びただけで、もう一度でもあんなのと戦ったら、すぐ殺されちゃうよ」


 「どう、運が良かったの?」


 「助けてもらったんだよ。でっかい怪物に」


 「怪物?」


 ジュリエッタは怪訝な顔をする。


 「ああ怪物。火に囲まれ、もうダメだ、死ぬわ。それで気を失って、目が覚めたら目の前にでっかい怪物がいたんだ。怪物でも喋れるし、お洒落なヤツだった。金色の腕輪とかイヤリングとかしてさ。そうそう、名前はヴェイロンとか言ったっけな。もう滅茶苦茶でかくて、俺なんて人のみにできそうな大きさ。あんなデカイのに空が飛べるのか、背中には――」


 「翼があった?」


 「……さっきから先読みが凄いな」


 突然、ジュリエッタはクスクス笑いだした。


 「コーイチ、あなた夢を見てたのよ」


 「なんだよ、別に信じないなら信じないでいいけどさ」


 「信じないとは言ってないわ。でも、そもそもあなたが悪いんじゃない。ヴェイロンなんて持ち出すから」


 「持ち出すも何も、当の本人がそう名乗ってたんだから仕方ないじゃないか」


 「でも、ヴェイロンといえばおとぎ話に出てくる龍よ」


 「龍?」


 龍ってドラゴンのことだよなぁ。でも、あれはそんな感じじゃなかったよなぁ。ドラゴンってよりは怪物って感じで。こっちの世界の龍はあんな感じってことなのかな。


 「むかーしむかし、この世界は龍が支配していました。龍たちには五つの種族がありました。種族は色で表されていました。赤、青、緑、白、黒。この中でも黒の種族を率いる龍が一番の力持ちでした。その龍の名前はヴェイロンといいました。ヴェイロンは気が短く、暴れん坊だったので、他の色の種族から嫌われてしまいました。どんどん仲が悪くなり、やがて喧嘩になってしまいました。長い長い喧嘩の末、生き残ったのはヴェイロンただ一人でした。友達も他の龍もいなくなったので、ヴェイロンはたった一人で寂しく生きるしかありませんでした。あら、その様子だとこれも知らないみたいね。結構有名なお話だと思うけど」


 「今初めて聞いたよ」


 「そう。ヴェイロンに助けられて、どうしたの?」


 「気がついたら棺桶の中にいた」


 「要領を得ないわね」


 「あ、そうだ。なんか力を貸し与えるみたいなこと言われて、黒い火で炙られたんだよ」


 「ちょっと意味がわからないわ」


 「言葉通りだよ。黒い火で炙られたんだ」


 「それで、貸し与えられた力ってどんな力なの? まさか知らない間に棺桶に入り込む力じゃないでしょうね?」


 「ちょっと見てみるか。『ステータスオープン』」


 俺の目の前にステータスウィンドウが広がる。


 『体力』  :平均よりちょい上。

 『魔力』      :ちょっぴりあるぞ。

 『物理攻撃力』   :錆びた短剣のぶん、素手よりマシ。

 『物理耐性』    :人並み。

 『魔法攻撃力』   :意外に悪くない。

 『魔法耐性』    :そこそこ。

 『器用さ(物理)』 :まだまだだね。

 『器用さ(魔法)』 :甘ちゃん。

 『幸運』      :たとえあなたを二位だと言う人がいたとしても、世界一位です。


 お、久しぶりに見てみたけど、結構成長してるじゃないか! 『体力』は、最近日々肉体労働に従事していたから鍛えられたのはわかるけど、『魔力』、『魔法』関連がよくわからない。『魔法耐性』は魔法を吸収する短剣のおかげだと思うけど、後の二つは鍛えた覚えがない。

 ふと、隣を見ると、ジュリエッタが不思議そうな顔をして俺を見ている。


 「『ステータスオープン』?」


 ジュリエッタは小首をかしげて言った。

読んでくれてありがとう!

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