表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/146

女神は空から降り、男の顔面を踏みつけた。しかし、男は許した。何故なら、女神は類稀なる美貌の持ち主だったから。

やっぱ女の子出さないとな。

 見上げるとそこにはパンティがあった。

 パンティが丸見えになっている女性がそこにいた。うん、多分女性。

 カラスの羽のような漆黒のパンティからスラリと伸びたしなやかな白い脚。

 パンティの前がモッコリしてないから、多分女性だろう。

 これが女装趣味の変態男だったら、目を背けたくなるような嫌な膨らみがあるはずだ。幸いなことに膨らみはなかった。


 漆黒のパンティに白い脚がゆっくりと空から降りてくる。

 パンティ丸見えだが、別に彼女が露出狂というわけではない。

 その証拠に、彼女はシルクのように艶やかなロングスカートのワンピースのような服を着ている。何故それでパンツが見えるかというと、それは角度の問題だ。


 漆黒のパンティの女性は俺の真上に位置し、俺は真下から覗き込んでいる形になっているからだ。

 降りてくるにつれ、距離が近づき、女性の詳細が明らかになる。服と同色のサンダルを履いている。

 しかし、そんなものより俺が目を惹かれるのは、やはり黒いパンティだった。

 それはレースの、一部透け透けパンティだった!


 それは大人のパンティ。思春期の男子の憧れであり、未知の世界でもある。

 それを着用したスラリと伸びた脚が、ゆっくりとこちらに向かってくるのだ!


 俺は目が離せなかった。いや、離してなるものか。一生の思い出と、目に、網膜に、脳に焼き付ける!

 我ながら、それはちょっと変態的過ぎるんじゃないかと思わないでもないし、倫理的にどうなんだと、罪悪感を感じないでもない。

 でも、これは仕方のないことじゃないか。思春期の男子とは悲しい生き物なのだ。

 この時期は女体に対して、どうしようもないほど憧憬、欲望、衝動、これらを抑えられないものなのだ、と俺は自己肯定した。

 それにこれは事故とも偶発的出来事とも言えるし、俺に非はないはず。


 俺はまばたきを忘れ、パンティを凝視した。

 どんどん近づいてくるパンティに、俺は目を奪われ、心奪われ、思考すら奪われた。釘付けとはこのことで、今の俺の状況は、再び金縛りに遭っているのと同じ状況だった。


 パンティが約一メートルの至近距離に近づいた、その時、衝撃とともに視界が真っ暗になった。

 一瞬、何が起こったのかとパニックに陥りかけた、が、衝撃のおかげで金縛りが解けた。

 俺は気付いた。そう、顔面を踏まれたのだと。不思議なことに、今も顔面に女性の足裏が乗っているというのに、重みはほとんど感じなかった。

 不思議なことといえば、そもそも空から女性が降りてくること自体が、不思議なことなのだけど。『シータ』じゃないんだから。


 「あら、ごめんなさいね」


 女性の声が聴こえた。凛と響くような、大人の女性の声だった。その声は黒い透けパンによく似合ってる、何となくそう思った。

 女性はふわりと浮き上がって、俺の顔面からどいてくれた。

 すぐ近くに着地した。一メートルもない、わずか数十センチほどの至近距離。そこに黒透けパンの持ち主は立っていた。


 美人だ。一言で言うならこれに尽きる。

 スラリと伸びた脚。

 キュッと絞られた腰。

 弾けんばかりのメガトン級の胸。

 超一流のボディ。

 グラビアでしかみたことないような代物だ。

 そのくせ、顔はちょっぴり童顔。

 ぷっくりした赤い唇。

 小ぶりながらも筋の通った鼻。

 大きな瞳は、人間離れした色合いだった。まるで星空か宇宙、といった、なんとも形容し難い不思議な色をしている。

 ゆるふわな長い髪も目の色に負けず劣らず人間離れしていて、透明感のある、まるで雪のような髪色。


 空から降ってくるような不思議なヤツは、見た目も不思議なヤツだった。


 あまりの美しさ、人間離れした得体のしれない魅力に、俺はただ固まるしかなかった。


 「初めまして! 私は女神ウアイラ。以後お見知りおきを!」


 女神と名乗る美女は、ニッコリ笑って言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ