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異世界初期装備編! 俺の装備はどんなもんだ? ……まぁ、そうだよね。ただの制服だもんね。

今回は短め。

 どうしよう。

 どうしようどうしよう。

 どうしようどうしようどうしよう。


 どうしようもなく焦る。

 どうしようもないのに、ただ焦ってしまう。

 エライこっちゃ、ヤバイこっちゃ、大変なこっちゃ……。


 夜の闇、虫のさざめき、時折聴こえてくる得体の知れない鳴き声が、俺の不安を煽る。いてもたってもいられなくなる。

 だけど、数メートル先すらおぼつかない暗い森の中で、行動を起こす勇気は、今の俺にはない。

 いてもたってもいられないが動けない。心がチグハグして落ち着けない。

 気を紛らわすために開きっぱなしだったステータス画面に目をやる。

 そういえばこれ、どうやって閉じるんだろうか? 開くの反対は閉じるだから……、


 「ステータス表示を閉じる」


 と言ってみた。するとステータス画面が消えた。安直にできていてよかった。

 もし閉じることができず、ステータス画面が常に目の前に広がったままになるのはかなり目障りだ。


 「ステータス表示」


 もう一度開く。夜が明けるまでここから動けないし、心を落ち着かせるためにも、何かしていたほうがいい。

 というわけで、ステータス画面をひたすら読み込むことにした。

 幸運以外のび太なステータス表示の他にも、様々な項目があるのを見つけた。


 【現在装備】

 【所持品】

 【スキル】


 どれも俺が異世界で生きるにあたって、重要な項目であることは想像に難くない。

 さっそく、順に吟味する。

まず現在装備をタップしてみる。

 すると、『ステータス画面』が『現在装備画面』に切り替わった。

 現在装備の項目が、ステータスの項目に入れ替わった。

 どれどれ、俺の装備はどんな具合だ?


 【武器】

 徒手空拳


 【防具】

 高校の制服

 カッターシャツ

 Tシャツ

 トランクス

 靴下

 スニーカー


 パッと見、全く期待できそうにない。それでも一応個別にタップして確認してみる。


 【徒手空拳】

 己が肉体を武器とし戦うのだ!

 いわゆる素手。

 リーチは短く威力も低め。

 ヒョロガリ、もやしっ子にはお勧めしないゾ!


 妙なノリの説明文が表示された。さらっと読んですぐに閉じた。

 あんまりうれしくない情報は精神衛生上、見なかったことにするべきだ。


 次は防具に表示されたアイテムを一つずつタップする。


 【高校の制服】

 上下セット。下はともかく、上だけ着る人は多分いない。

 ちょっと固めの生地は、そんじょそこらの布切れよりかは、マシな防御力を持つ。

 まぁ大して変わんないけど。

 異世界には存在しない服装なので、やたら目立つ。


 【カッターシャツ】

 これに防御力を求める人いるの?


 【Tシャツ】

 柔らかく、締め付けられないので機動性は悪くない。寝間着にでもどうぞ。


 【トランクス】

 王子の息子ではない。ただの下着。通気性がいい。

 大事なところが蒸れて痒くなりがちな夏場にベストマッチ。


 【靴下】

 足先の冷えは万病の元。ただの靴下に防御力なんてあると思う?


 【スニーカー】

 軽い、速い、安い、の三拍子そろった名品。ただし防御力には乏しいので足元には気をつけよう。


 という具合。

 暇つぶしにはなるが、暇つぶしにしかならなかった。役に立つ情報は皆無に等しかった

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