師匠が持ってきた重要な話
夜
「師匠出掛けるって言ってからもうかなり時間経ってるよな。おせ~」俺が呟く。
「おせ~」黒崎が続ける。そうやってぶつぶつ文句を言っていると
「ただいま!」物凄い剣幕師匠が帰ってきた。
「お前らなら出来る!いける!よな…とにかくだ!私は信じているぞ!」
そう言っている師匠の目は潤んでいる。
「落ち着いてください!どうしたんですか?」俺は師匠を落ち着かせる。
「悪い、実は今日魔術会議でな…とある魔法使いと喧嘩してしまってな。」
ちなみに魔術会議とはこの世界の優れた魔法使いで行われる会議。と師匠から聞かされている。
「その魔法使いって?」黒崎は質問する。
「グランだ。」
「グランって誰?」「私も詳しく知らないけど師匠と同じ位かそれ以上に強い人だって前師匠が言ってた。」
「でもその人が俺達に何の関係があるの?」今度は俺が質問する。
「ああ、関係ある。実はな、弟子同士で戦ってどちらが優秀な弟子かはっきりさせることになってしまった。期限は一週間後。私の威厳がこの勝負にかかっている!」
「はぁ!?あ、でもこっちにはチート能力持った黒崎が居るから行けるんじゃないか?な、黒崎!」
「私…コノ世界来てマダソンナ経っていない、無理。本番弱い。ソレタクミ一番ワカル」
そう忘れていたが黒崎のメンタルは豆腐だった!
「黒崎しっかりしろよ!」俺は黒崎を揺さぶるが返事は無い。ただの屍のようだ。
そうしてこの日の夜は過ぎたのだった。