俺に魔法を教えて!
とりあえず俺と黒崎は師匠の家に戻ってきた。
「お前がまさかそこまで魔法が使えるとは…」ショックを隠せない俺。
「見直した?」黒崎は目を輝かせながら聞いてくる。
「ああ。」俺は割と真面目に答えた。すると黒崎が
「でも君なら私より凄い魔法使えるよね?」うっ…的確に俺の心をえぐりにきている気がする。
しかし黒崎は純粋な目でこちらを見ている。
やっぱり本当の事打ち明けようかな。
「それがさ…まだ俺魔法使えないんだ、、」打ち明けてみた。
「嘘!私、タクミに勝ったの?やった!始めて勝利した!」
彼女は無邪気に喜んでいる。可愛いからまあいいか。
「それよりも明日魔法教えてくれない?暇だろ?」
「良いよ!私がタクミに教えるのか~フフフ♪」
そんなやり取りをしていると辺りはもう暗くなってきていた。
「バンッ!」と勢いよく玄関の戸が開いた。
「ハアハアグスッグスッ。…だだい"ま"!」
「お帰りなさい師匠、あれ?服汚れてるけどどうしたんですか?それに目も赤いし」そう俺が尋ねると
「誰だ!庭に穴掘った奴!」と師匠が怒鳴った。
「はい…」黒崎が恐る恐る手を挙げた。次の瞬間
「お前らああ!私がどれだけ怖い思いをしたかわかるかああ!ふざけるな!2人とも今日は説教だ!」
どうやら師匠は黒崎の穴に落ちて半泣きだったらしい、まあ気持ちは分かるが何故俺にもとばっちりが…
そうして師匠の説教を終えた次の日の朝
「こうだよ、ファイアー!」黒崎の目の前にぼっと火が燃え盛る。
「こうか?ファイアー!」「ボンッ!」この前よりは威力が上がった気がするがやはりしょぼい。
「そういえばさ~タクミ」
「うん?何だ?」
「俺の炎に焼き尽くされるが良いとか中学の時言ってたよね?あんな感じでやれば上手く行くんじゃない?」
「グハッ、思い出しただけでも寒気が…あの時の俺はどうかしてた…」
そう中二病患者だったのだ。あ~恥ずかしい。
「そうかな?私は好きだったけどなw」黒崎が小声で呟いていると師匠が近づいてきて
「おお!自主練か良い心掛けだ!そうだ、ちょっと私は出掛けて来るから頑張るんだぞ!」
師匠はそういって出掛けていった。
しかしこの後師匠があんな話を持ってくるとは俺達は思ってもいなかった。