97話
「クッタ後ハ、装備ヲ剥イデ、売ルツモリダ。」
装備は、売る実に堅実な奴だな。
この短剣やら、レザーアーマーが中古で、どのくらいの価格になるのかはわからないが、店まで持っていく手間を考えると特かどうかは微妙な気がする。
「ツイデニ言ウナラ、女ナラ、奴隷トシテウルツモリダッタ。」
「残念だったな。男で」
いや、そこそんなドヤ顔で返すことでは無いんだけどな。ジャックよ。
「女デモ、装備ハ売ルツモリダッタガナ。」
「フフフ、男の中の男、俺の装備は簡単には取れないぜ。」
「ジャア、ソロソロ、戦ウトスルカ。」
ナイフをガールの顔に向けて、振りかぶった。
「ギャアア。」
ガールは、さっきの不意打ちをよほど、怖かったのか俺が動き始めた段階で、後ろに離れ始めていた。
そういえば、キズグスリをさらった理由を聞いてなかったな。
攻撃した後で、聞きづらい雰囲気だけど、だめもとで聞いてみるか。
「あ、一つ聞きたいことが。」
「イヤ、マタ不意打ちシトイテ何ヲ言ウカ。」
「俺もさすがにガールの見方をするぞ。」
あれ、ジャックにも悪者扱いだと。
まあいい。聞くだけ聞いておこう。
「なぜ、アイツをさらったのか、聞いておきたいと思ったんだ。」
「アイツ?アア俺ガサラッタヤツノコトカ、ッテモシカシテ名前モ知ラナイ奴ヲ助ケにキタノカヨ」




