94話
本人の居ないところで、勝手に引き篭ってもらうとか話しているがまぁ問題ないよね。
さて、こっそり洞窟にはいるとにするか。
「入る前に簡単な合図でも決めておくか。」
「そうだな。」
先に入ろうとしていた、ジャックが言い出した。
合図か映画なんかでたまに見るが、かっこいいよな。
一度はやってみたかったが、実戦でやることになるとはな。
「で、どんな合図にする。複雑な合図だと判断が遅れて意味なさそうだが。」
「じゃあ簡単な所で、俺が右手を握った状態なら前進。」
「ほう。」
「手を広げたら、停止。」
「へい。」
「2本なら、バッグ。」
所謂、ピースって奴だな。
「分かった。」
「こんな、もんでいいか。」
「まぁ後は、適当に空気を読んで動けばいいだろう。」
そんなに大きな洞窟でもないだろうし。
あのガールって言うやつが、夜明かりがなくても目が見えるか分からない。
分からないが、見張りをしているのに明かりを持っていないことを考えるに、恐らくそんなに広くないと思う。
「さて行くぞ。」
「おう。」
ジャックが先頭になって入って行き、俺が後をついていく。
だが洞窟に入った、その瞬間寝ていたはずのガールが起きてしまった。
なぜばれたのか、それは洞窟の中は音が良く響くからだ。
そうジャックの金属鎧の音が。




