80話
そんなわけで、二人で行く流れになった。
で、そのままいこうとしたら。
「ところでお前、着替えなくていいのか?」
そう言われてると今着ているのは、初日からフロにも入らず、洗わずに着続けた結果、薄汚くなった布の服だった。
犯人のいる所に行くんだ。
おそらく戦闘になるだろう。
やっぱり布の服のままじゃまずいか。
「俺、なんやかんやあって、これしか服がないんだ。」
ネットでよく、着ていく服がないと冗談を言ったことがある。
まさか本当に着替えがなくて困ることがあるとは、思わなかった。
服がない理由は、説明するのが面倒なんで省いた。
「ん?お前も訳ありなんだな。まぁ俺も似たようなもんだな。これとちょっとした鎧しかない。だから服を貸してやることはできないな。」
「まぁいいよ。サイズ違うだろうし、今からギルドで買ってくる。」
「じゃ、俺も鎧に着替えてくるからギルドの入り口で待ち合わせで言いか?」
そんな会話をして、この前、短剣を買ったお店に行った。
そして、安くて強そうなレザーアーマを買った。
金属鎧も考えたが、値段が高いのと、重くて動きにくい、歩くと音がして敵に居所がばれるなどの理由から諦めた。
レザーズボンは金が足りなかったのであきらめた。
まぁ、ズボンは動きやすさを重視して諦めたことにしよう。
今着ている服の上からレザーアーマーを着てみた。
手で触ってみる感じ、そこそこ硬い。
どんな動物の皮で作っているのかな?
そのあと食料を売っているコーナーでパンを買って急いで食べながらギルドの入り口へと向かった。




