76話
逃げてくれなかった。
まぁね、この世界はやっぱり危機感薄い人多いな。
「サッキハ、邪魔ガ入ッタガコンドコソ連レテ行イクゾ。」
あれ俺もう、やられたことになってるの?
ただ、突き飛ばされただけだ。
まだ、邪魔というか、助けに入れる。
「いや待てよ、俺はまだやられたワケじゃね。ちょっとこけただけだ。」
「ワハハ、ソレハ俺ガ手加減シテヤッタカラダ。本気デ殴ッテイレバ貴様ゴトキ、トックノ昔ニシンデルゾ。」
「なんだと。」
こいつ、そんなに強かったのか。
いや、こいつ大げさに言ってるだけかもしれない。
「えーと、私の事はいいから、君はそのまま座ってて。」
え、助けに入ったのに心配された。
俺そんなに弱そうに見えるのか。
まぁ魔法の初級コースに参加していたので弱く見られて当然と言えば当然か。
「いや、そうゆうワケには・・・」
そういいかけた途端、ガールはウサギぽい人を抱えた。
「ソレジャア俺ハ一旦、東ノ洞穴ノ秘密基地ニ戻ルガ、オ前ラ助ケ出シニ来タリ、スルジャアナイゾ。」
何、その説明口調。
助けに来て欲しいのだろうか。
そういい残すと、飛んでいった。
いや、人を抱えた状態で飛んでいるせいかだいぶ、ふらついている。
「きゃああ。」と言う悲鳴がかすかに聞こえたような気がした。
「わはは、正義の味方ジャック フット様が助けにきたぞ。」
なんか、空気の読めない声が聞こえたような気がした。




