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63話

 そう、目的は魔法だ。

 まぁ殴りあうことで魔法を使えるようになるとは思ってはない。

 この後の回復魔法で回復して貰える手はずになっている。

 おそらく大きな怪我はしてはいないが、昼間のオークにやられた分も含めてみてもらおう。

 そのときに、回復魔法の事について聞きたい。

 特に訓練方法について、質問しておきたい。

 簡単な魔法を使えるまでの数年間、この初級の訓練を受け続けたくないので、情報だけ貰って自主練習で魔法を覚えたくなったのだ。

 あと、可愛い子に手当てして貰えれば、いいんだけな。


 少し離れたところで、速い段階で勝負がついた人達は、もう手当てを受けている。

 さて俺もあっちに混ざって魔法で手当てしてもらおう。


 「おい、ちょっと待てよ、えーと・・・。名前なんだっけな。う~んそもそも名前聞いてたっけな。」


 さっきまで殴り会っていた人が呼び止めてきた。

 そういえば、名前を名乗ってなかったな。

 そもそも、終わった後の礼というか、挨拶もしていなかったな。

 とりあいず、名前を名乗った。


 「ふ、何だよその名前は?東洋の端の島の出身みたいな名前グフゥ」

 

 無言で一撃殴ってやった。

 あと、こいつ日本について知ってる。

 いや、間違いなく。

 ドイツもこいつも、俺の名前を馬鹿にして。

 女に言われたのは笑って許すが、男だとな。


 「ちぃ、ちょっとからかっただけで殴りやがって。俺の名前はジャック・フッドだ。気軽に、ジャックと呼んでくれ。」


 「ああ、よろしくなジャックだ。」


 まぁ、腐れ縁だが、殴りあった仲?だ。

 こっちにきてはじめての男友達に数えてもいいだろう。

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