61話
教官が話したルールをまとめるとこんな感じだった。
・武器の使用の禁止、素手の攻撃のみにすること。
・顔面および、急所への攻撃の禁止。
・倒れている相手への攻撃、降参した相手への攻撃の禁止。
・おそらく使えないだろうが、命を奪う魔法および奥義の禁止。
・その他、大怪我をするようなことは禁止。
大体こんな感じだった。
良かった、降参が許されていた。
まぁ、訓練で大怪我されては、教官のほうが問題にされるのだろう。
その辺は現代日本と大差ないのだろう。
「じゃあ、1,2のドンで始めるぞ。」
何、その気の抜ける合図。
そして、向かいに立っている、えーと名前の知らない対戦相手が、何かの格闘技の構えを取る。
明らかに強そうだ。
見た目からにして筋力が高そうなうえ、格闘技の経験があるのか。
というか、なんかオーラみたいのが見える気がする。
昼間のオークより、強いだろう。
「俺は、目立つのが好きだ。だから一撃で決めてやるぜ。」
「ふぅ、そううまくいくかな?」
相手が、一撃KO宣言をしてきた。
適当に言い返してやってが、挑発するのはまずかったかな?
顔面を狙わずに一撃で決めるとか、すごい技でも持っているのだろうか。
それ、相手を大怪我させる技は禁止の項目に当てはまらないのだろうか。
そんなことを考えるうちに、戦いの合図が発せられた。




