19話
露店で、リンゴぽい果物1個100ルドを2つ買い、先ほどの黒い犬人がいたところに戻る。
「とりあいず、コレでも食べて」
俺がそう言うと、無言で食べ始めた。
カリカリと音を食べている。
無言で食べ続けている。
かわいいな。あ、一つは自分用だったけど、こんなに美味しそうに食べられると、止めることが出来ない。
まぁいいか。
「えーと、ありがとぅ。」
残さず、食べ終わったあとに、話しかけてきた。
「どういたしまして、ところで何でこんな所で倒れていたの?」
「えーと、お金がなくなってしまったんでしゅぅ」
「お金をなくしたって意味?」
「そうじゃなくてねぇ、実は、友達とパーティ組んで、冒険者やってたんだけどねぇ、いろいろあってねぇ解散して・・・」
うーん、悪いこと聞いちゃったかな?
友達が亡くなってしまったのだろうか?
というより、こんな小さな子供でも冒険者やってるんだな。
「えーとぉ、友達が亡くなったって意味じゃあないよぉ。」
俺の表情が暗くなったのを感じたのだろうか。
「じゃあ、何で解散したの。君は悪いことをするような人には思えないけど。」
「いや、私が悪いですぅ。私が食べ過ぎたばっかりにぃ、パーティのお財布が破産してしまったんですぅ。」
思ったより浅い理由だった。