18話
その日の仕事は特に問題なかった。
色違い?のジャガイモをひたすら抜いて運ぶだけの簡単なお仕事。
それに、昨日のイノシシが捕れたという噂が広がったせいで、人が多かったのもあって、収穫は夕方には終わってしまった。
まぁ夕方に終わったといっても8時間しっかり働いている。
明日からの仕事はどうしようか、収穫が終わった直後の農場に仕事があるだろうか?
そんなことを考えながらギルドに向かって町を歩いていると、大通りに面した横道になんか黒っぽい物が転がっていた。
気になったので、近寄って調べてみる。
よく見たら、それは物じゃなかった。
黒い毛をした犬のような人だった。
犬人というか、噂に聞くライカンスロープというヤツなのかな?
思ったより、可愛い。女の子だろうか。
身長は横になっているから解りにくいが、俺の半分くらいだと思う。
とりあいず、揺すって起こしてあげよう。
もちろん、卑しい気持ちなんてない。
「もしもし、大丈夫ですか。」
肩の当りを軽く触ったら、なんか気持ちいさわり心地で何時までも触っていたくなった。
「あはは、お腹がへって動けなくなっただけで、大丈夫でしゅ」
そう言いながら、大通りの方へ歩いていこうとしていた。
「そうか、じゃあね。」
なんだ、無事なんだ。お腹が減っただけなら特にほっといても問題ないだろう。
そう、思った瞬間また倒れた。
しょうがない。ここで見捨てるのは心が痛い。
昨日の給料から宿代を引いて残ったお金が若干あるので、露店で、何か果物でも買ってきてあげよう。
もちろん、後で何か見返りは貰う予定だ。