15話
イノシシにであった時の対処法って何だっけな
と、のんきに考えている暇などないくらいイノシシは速い。
「逃げよう」「にげるニャア」
とほぼ同時にいって左右に避けた。
そうするとイノシシは俺達の横を通り過ぎていった。
「よかった、助かったぁ」
「あ、子供のイノシシを助けようとしているんだにゃあ。」
「でも子供は、おそらく手遅れだから暴れだすだろうな。」
「じゃあ、助けに行かないとまずいかにゃあ」
「でも足手まといになってもあれだし、離れたところで、様子見かな」
「とりあいず、近くまで寄るにゃあ」
そんな、会話をしながら近づいた。
離れてみる限り、問題なく倒せそうだ。
戦い方は、子供の時と同じく複数名で取り囲んでからの袋叩きだった。
武器は仕事で使っていた鎌や、個人が普段から装備している小型のナイフが多い。
今回のイノシシ騒動は、特に俺が何かするまでもなく終わった。
だが、また仕事中に獣などが出てきた時に戦わずにすむとは限らないので、何か武器を買って戦うための練習をしたいと思った。
練習しなくても、取り囲んで攻撃するだけなら俺でも出来そうだが、毎回このような戦い方ができるほど人数がいるとは限らない。
護身くらいはできるようになりたいな。
その後、特に何も起こらないままその日の仕事は終了した。