100話
「子供か、じゃあ大人になるまで待てばいいって数百年待ってたのか。」
「ソンナ所ダ、まぁ、魔王様ガ大人ニナルマデ後五百年カカルンダガナ。」
「ジャア、魔王様が大人になる五百年後まで待ってればいいだろ。」
「ソレガ、デキナクナッタ理由がデキタ。」
「ほう、俺達冒険者に居場所でもばれたのか。」
「ソンナ、へまハシナイ。」
居場所がばれたなら目撃者を消せばいいという、考えなんだろうな。
そのくらいのことはする、モンスターはそんな奴らの集まりだろうな。
「魔王様ガ病気ニナッタノダ。」
「それは気の毒に。」
なんか、胡散臭いな。
「デ、治療スルニハ、魔属性ノ回復魔王ガ使エル者ノチカラガイルンダ。」
「そうか、だから人さらいなんて悪事働いてしまったんだな。」
ジャック、なんてチョロインだよ。
嘘に、決まってるだろ。
嘘じゃなくても、これから戦うんだ。
判断を鈍らせるための作戦に決まっているじゃないか。
「じゃあ治療が終われば、返してもらえるのか。」
「ソレハ、魔王様ガ、決メナサル事ダナ。」
「返すと約束するなら、一旦引いてもいいと思ったんだがな。」
まぁ、生きて返したら魔王が生き残っていたことがばれてしまうからな。
恐らく、口封じに消されるに決まってる。
消されなくても、また病気になった時の保険として幽閉されるかもしれないが。




