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しるし2(詩集)

苛立ち

作者: さゆみ


わけがわからない

そのもやは僕が連れてきた

その靄の中で僕は動かない

決して晴らしたくはない



僕は紛れもなく独りだ

この2DKのアパートに君はいない

下手な憶測は投げつける

砂利の駐車場に窓から捨てる



ああ、変えたかったよ

突き抜けたかった

青空に向かって手を広げようと

何度も試みたじゃないか



君の手を握り、二人で羽ばたきたかった

君の知らない過去から逃れられない僕は

君と一緒に扉を開くことは出来なかった

愛は強くない、儚く燃えて美しい灰となる



それで良かったんだね

僕の業は僕だけのもの

君と一つにはなれなかった

僕の情けない啜り泣きを君は見ていた



≪違う、私は狂おしい愛を望んだ。美しさなんか要らない。その魔を刺して、ズタズタに引き裂き、悪を分かち合いたかった。あなたは靄の外側に堕ちた。這い上がる気力なんてない。あなたは死んだの。紛れもなく独りなのは私。あなたが置いていった靄の中で私は動かない。決して晴らしたりしない。誰も覗かないで、触らないで、息を漏らさないで。眠らないのは夢を見たくないから≫



≪あなたは誰? 突き上げるナイフの声、抉られる肉体の叫び、溢れ出す血のうた。私を動かさないで。靄を晴らさないで…… 愛したくない、遠くのあなたを愛したくなんかない!!≫







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― 新着の感想 ―
[一言] 拝読いたしました。 この人は過去に過ちを犯したのですね。 それも犯罪と呼べるような。 だから愛したくても愛せない。 分かち合いたくても分かち合えない。 それは優しさなのでしょうが、苛立ちは…
2014/02/22 18:06 退会済み
管理
[良い点] 苛立ちへの感想です。  最初の二連が粘着質な気持ちの悪い男を描写していて過去なんだろうというのが分かる。 かつて女がいたのかなという推測がつく。ここでかなりイライラした感じが表現されて…
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