はじまりの桜
掲載日:2026/05/11
時は江戸
心優しい勘定奉行の侍がいた
彼は不運にも、辻斬りにあった
妻と一人娘は、懸命に生きようとした
妻は、ほどなく死んだ
一人娘は、懸命に生き続けた
やがて死んだ
生前の奉行に世話になった町人たちは、二人を助けられなかった事を後悔した
やがて両親の墓には、それぞれ違う桜が咲いた
町人は、それぞれの枝を折り、娘の墓に植えた
やがて、両親の桜はひとつの綺麗な桜を生んだ
町人たちはその綺麗な桜を日本中に広めることにした
桜と一緒に、奉行たちの物語も広めていくのだ
「この綺麗な桜は“染井家の吉乃”ちゃんの墓に……」




