2.5 対空兵装の強化
日本軍は対空戦闘において敵編隊をまるごと撃墜できないかどうか研究していた。そこで、私のところにも、今まで対空戦闘を重視していた艦艇を設計していたのもあり、なにか考えてくれという依頼が技研から舞い込んできた。
「対空散弾がいいとは思うんですが…どう思いますか?藤本主任。散弾でもただ撒き散らすだけでは当たらないですよね。」
「距離20kmで作動する長と、距離10km程度で作動する中と、5km程度で作動する短の2種類の時限信管を搭載するのはどうだ?それから、ただ燃やすだけでは、ソードフィッシュみたいな翼が布張りのやつじゃない限り撃墜は難しいぞ。金属片を混ぜておくべきだろう。」
「なるほど。たしかにそれは一理ありますな。」
「それから、砲身への負担を改善するための弾殻の素材の改良もお願いします。対空戦闘で砲身を摩耗してしまえば砲戦に対応できませんぞ。」
「そうですな。主砲はあくまで砲戦のためのもの。対空戦闘で寿命をすり減らしていれば本命である砲戦に対応が疎かになりそうですな。」
と対空焼霰弾についてはまとまった。この弾はすぐに試作、製造が開始され、2月には空母機動部隊の直掩である比叡、霧島、利根、筑摩に搭載された。
……
続いて、私のところに舞い込んできたのは、対空焼霰弾と同様の理由で、対空戦闘用の噴進砲についての意見を述べることである。
「まず、直径は12㎝程がいいでしょう。時限信管で信管長(8秒で起爆)と信管短(5秒で起爆)を同時に射撃します。そうすれば敵機を捉えることが出来るでしょう。1発に付き20発の金属子弾を搭載するのがいいでしょうか。」
「なるほど。発射機は25mm3連装機銃のものを流用しようと考えているのですが、何連装がいいでしょうか。」
「30連装だろうな。しかし、半端な素材で作るとロケットの熱で発射筒が曲がってしまいますから、それだけは注意してくださいね。」
「了解しました。とりあえず技研に持ち帰って研究しておきますね。」
……
1942年4月には、これらは戦時体制のもとで十分な数が確保された。また、実射試験の標的機に選ばれた爆戦を試験にて粉砕したとの報告も上がってきた。
さらに、ソードフィッシュと仕様がにている旧式の艦攻にも使用したところ、焼夷効果で翼は瞬時に燃え上がり、金属片がエンジンに吸い込まれてエンジンを破壊したりと散々だったようだ。




