羽ばたく音で新世界創設
蝶 密ル(ちょう みつる)はしがない三軍戦士だった。だが親のコネで入れてもらったパーティーで2年ほど行動を共にしていた
が、ある日蝶 密ルはパーティーのリーダー 神津 大蛇に呼び出された「密ル。お前、パーティー抜けろ」
「え、?どうして…?」「あんたも薄々気づいてるんでしょ?このパーティーに必要ないって」このパーティーのヒーラー役である 任腐癒が続けて口にする「そうだよ。今まではお前の親から、このパーティーへの資金援助もあったから仕方なく入れてやってたけどぉ、もうお前の親死んじまったしよ。お前を残しとく必要ないんだわ」「しかも対して強くないし、何よりあんた、大蛇と同じ戦士よね?正直戦士なんてパーティーに1人いればいいし〜弱いアンタはいるだけ無駄なのよね〜」「待ってくれ!俺は…まだみんなと一緒にいたいよ!」「ダメだ。今すぐこのパーティーから去れ」
そうして、密ルは半ば強引にパーティーから外されてしまった。とても大きな焦燥感とやるせなさ、そしてヤツらに対しての恨みつらみが積もった気持ちを抱え、亡き両親が残した家へ足を運んだ…
密ルは帰省し、部屋で途方に暮れていた。
そこへ窓から何やら1匹の蝶が入り込んできた
「B-ベコ!?生きてたのか!?」
それは蝶家の象蝶として大切に扱われてきたB-ベコという名の蝶だった
密ルの親が死んだことによりB-ベコは自由の身になっていたのだが、長年暮らしていたこの家の好んでいるのか、回帰本能なのかB-ベコはこの家の近くから離れていなかった。
「B-ベコ、俺はもうダメだ。父さんと母さんも死んで、パーティーからも追放されちゃった…どうしたらいいかな…」
するとB-ベコは鱗粉を振るう。その鱗粉は密ルのバンダナに付いた
「もお、ベコってば…やめてくれよな〜」
そう言いながらバンダナを取り鱗粉をはらう
その鱗粉は風を舞い外にいる鳥にくしゃみを誘発させた。その鳥はくしゃみによってバランスを崩し、家の庭の大木にぶつかってしまった…… トン
その音は窓を空けていた密ルの部屋にも届く
「ん?なんの音だろ…」
様子を見に行った密ルは木にぶつかり息絶えた鳥を発見した
「なんて事だ…俺の不幸は周りも巻き込んでしまうのか…せめて埋葬だけはしてあげよう」
密ルは鳥を埋める穴を掘る。すると、地中でなにかがスコップに当たる音がする。それを掘り起こすと、どうやら箱のようだ
「これはなんだ…?開けてみるか……」
箱を開けると中から衝撃波が!密ルは驚き、その場から飛び退いた。その瞬間『スキル 【バタフライ・エフェクト】を獲得しました』空中にそう表示が表れる
「え?スキル?どうして今?」
密ルは状況を理解できなかった。いや、状況の理解を拒んでいただけかもしれない。密ルは親が亡くなったことや役割が被っていたこともそうだが、パーティーの中でもダントツに弱かったこともパーティー追放に拍車をかけていたのだ。その要因はスキルがないことだった。故に追放されてすぐにスキルを獲得したことを理解したくなかったのかもしれない
「それにしても……バタフライ・エフェクトなんてどんな能力なんだ……?…今はやることがないし、この能力がどういう効果なのか調べてみるか」
そうして密ルはB-ベコと共に近くの森へ入ってみた
森には小動物はもちろん、基本的には弱い魔物がうろついている。密ルは早速見つけたオークに戦闘をしかける。
「オークだ…気づかれないように……ってわっ!」
オークは密ルの存在に気づいて石を投げる
密ルは確かに戦士ではあるが戦闘はあまり得意ではない。防御力こと高いが、攻撃は当たらず魔術もてんでダメだ。そのうえオークは近接も投てきも得意とする魔物だ。密ルはすぐに防戦一方の戦いになってしまった
「くそっ…木の後ろに隠れたけど、これじゃジリ貧で負けちまう……あっそうだ!こーゆー時こそ……【バタフライ・エフェクト】!」
すると、オークの投げた石が木の上の鳥を刺激する。鳥は去り際にオークに糞を落とす。それがオークの目に入り、怯む。
「(今だ…!)おらっ!」
怯むオークに剣を突き刺し討伐する。
「もしかしてバタフライ・エフェクトの能力って…偶然を引き起こす能力?そうなのかB-ベコ?」
密ルはバタフライ・エフェクトをそう解釈した。
だがまだ密ルはバタフライ・エフェクトの能力の片鱗しか見えていなかった




