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平和の軌跡

作者: Hoshie

初投稿です。メッセージ性の強い作品です。現実に起こった出来事がモデルになっています。


 天上の下、彼らは静かに対峙していた。

 広がる青色は暗く沈み、運命の糸は解けない程に絡んでいく。

 向かい合う彼らの間には果てしなく遠い距離。

 見つめる方向の違う互いの眼には、おぼろげな未来が浮かんでいたのだろうか。

 

 エルマーは、凍てつくような瞳で周りを見渡した。

 「俺のやってきたことは間違っていない」

 とつぶやく。

 「筋書き通りにやるだけだ。簡単なことさ」

 彼は自信を持ってそう言った。

 その隣には、優雅で風に揺らめく衣装を纏ったダミアーノが立っていた。

 「確かにその通りだな。君の考えには賛同だよ」

 ダミアーノはエルマーの気迫に押されつつも、そう告げた。

 「力を貸すよ」

 軽やかにも思えるが、ダミアーノが内に秘めている力は計り知れない。

 しかし、彼の力はエルマーの計画の内であった。

 

 二人が企む姿を遠目に、ダニエルは佇んでいた。

 気品のある彼は常に落ち着いているのだ。

 「冷静に対応するべきですね」

 平然を装ったような声を合図に、ダニエルに向かってくる影が見えた。

 勇ましい歩き方でリチャードは近づいて来て、

 「そうだ。我々は大きな転機を迎えるだろう」

 と雄々しい声で言い放った。


 所々で交わされた言葉が、彼らの運命を決定づける一瞬の出来事に変わりつつあった。

 その瞬間、それぞれが全てを賭けた戦いの始まりを感じ取っていた。


 その頃、茂は志をエルマー達と共にし、目的に向けて大きく動き出していた。

 しかし、彼の通った道は決して後戻りできる状態でなかった。

 「道を曲げてはいけないんだ。己のために」

 険しい顔つきでそう言っているが、それは言い聞かせているようでもあった。

 

 緊張感は一層と高まる中で、アンドレイは静かに構えている。

 彼らの様子を見ながらじっと準備を進めていく。

 待っているのだ、反撃の機会を。


 膝をついた者がいた。

 しかし、その人物は悠然としていた。

 小龍はこの中で一番の年長者であり、彼の眼は全てを見透かしているようだった。

 「時間は私を味方する。そうやって生きてきた」

 彼は茂を見つめて言った。


 そんな彼らにリチャードは反応した。

 「君たちの力を信じているよ。ともに未来を切り開こう」

 その言葉をあとに、旋風を引き起こしたのだ。

 

 混沌とするなか、エルマーは焦燥感に駆られる。

 彼の計画は崩れ始めていた。

 隣について来ていたダミアーノは息切れしていた。

 「計画の変更をするしかない」

 エルマーは自信を失った声でそう言った。

 次第に足取りは重くなっていき、歩みが止まるのも時間の問題だった。

 

 しかし、茂は鉛のように重い足を前に進め続けた。

 暗い先の道へ進むしかなかったのだ。

 「未来が待っている。決して引き返さない」

 青かった空は見る影もなくなっていた。

 

 やがて、耐え忍んでいたアンドレイはついに力を解放し、冷たい風が迫りくる者を押し返していった。

 小龍も支援を惜しまず、泥沼のような状況は傾いていった。

 「新しい時代は切り開れた」

 とリチャードは力強く宣言した。

 「この状況を共に乗り越えよう」

 ダニエルは続けてそう言った。


 状況はエルマー達にとって最悪なものとなっていた。

 急速な変化に、彼らは限界を感じていた。

 エルマーは窮余の策を打った。

 「計画は白紙だ。俺は撤退することにする」

 ダミアーノも、手を引くことを決意していた。


 取り残された茂はどうしようもない状況のなか、ひたすら歩き続けていた。

 しかし、大きな傷を負い、ついに限界を迎えた。

 いや、限界はとっくに来ていたのかもしれない。


 決着がつき、空に広がる雲が晴れ、光の道が見える。

 それぞれが新たな未来に向けての歩みを進めた。

 彼らの努力は、平和の礎となり、交わされた約束は、世界に希望をもたらした。

 平和な未来を築くための決意を新たにした彼らは、新しい時代の幕開けを祝福し、静かに新しい希望の光を見つめていた。

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初投稿です。第二次世界大戦の話でした。好評であれば他のジャンルなどでも作品を投稿しようと思ってます。

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