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カエルには、吸盤があるのだ。  作者: 半崎いお
飛び出た場合の
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荒っぽいで済むのそれ?

それから、ラーゼさんは丁寧に、説明をしてくれた

あの国以外で教えられている「能力」の仕組みを


私たちの国以外では、「体験・接触会」というのがあるというのだ

さまざまな動物や、道具、本、もちろん、龍や精霊や妖精や悪魔、幻獣など

あらゆるものに、こどもたちを接触させる勉強会のことだ

珍しいものであればあるほど、確実に全ての子供の目に触れさせるようにする


そこで、接触を得て初めて能力が開花する場合が多いということが知られているのだ、

本に触れたことがない子は本という概念を持たないから、本を扱うような能力を得られず

全身が浸かるような水遊びをしたことがない子は、泳ぐような能力は得られない

だからこそ、子供には漏れなくあらゆる経験をさせるように計画されているのだと


その場合と同じように

龍族を直接見たことがなかったわたしは、龍にまつわる能力の全てが目覚めなかった

と、いうことらしい。

さらに、運命歌の言葉は最大十二個で、十二個ある者は伝説的。通常は10が最大。

ひとつ目の能力が目覚めないと、その先は目覚めることがないということもわかっているらしい


わたしのひとつ目は「龍」だ

その「龍」が目覚めなければ、無能力と見做されて仕方ないとのことだ

他国では、そのようなことがないように、さまざまなものを見せたり触れさせたりする

わたしの国では、龍に関しては完全に情報を閉ざしている……そりゃ、そうなるのか


でも、そうか、能力か……母国に帰ったら、「龍語のミソノ」ってよばれるんだろうか

だめじゃん!! 龍に関わったら殺されるんじゃなかったっけ?


帰れないのかぁ……

でも、帰ってもあんな暮らしだ。

きっとこれは、いい方に変わったのだろうと思える気がする

マザーもきっと、このことを知っていたのだろう。

出国して、何かの経験・出会いを経れば能力が目覚める可能性があるということを。



目覚める前に刻まれると厄介みたいなこと言ってなかったっけ?

わたしに目覚めるだろう能力は龍に関する能力ってことがどうしてわかっていたんだろう。



「わたしに能力が目覚めるだろうこと、どうしてわかっていたんですか?」

もう、直接疑問をぶつけちゃえ。

「君の高い魔力の話は聞いていたし、そんな人に能力がないのは不自然だ

 そして、残念ながらあの国で高魔力なのに“無能力”と言われている人は

 大半が、あの国では出会えない龍か幻獣の能力者だ

 目覚めていないのだから、能力者とは言わないかもしれないがね

 実際に、他国では高魔力で無能力、などという人は、まず存在しない」


ぞっとした。

確かに、高魔力と言われていた人間が無能力者だったなんてほとんど聞いたことがない

だからこそわたしはあそこまで蔑まれ、疎まれたのだから


腰が、抜けた。

なんてことだろう


あの国で育ったのでなければ

機会さえあったのならあんな暮らしを送らなくてもよかったのか


「マザーと君が呼ぶ彼女、セレナはその事実をよく知っている。

 だからこそ、あの国であんな活動をしているのだよ」


「それってすごく危ないんじゃ……?」

「そうだね。見つかると、処刑される恐れがあるね。勇ましい彼女らしいよ」

ため息をつきながら、ラーゼさんが続ける

「やり方の荒っぽさも、非常に彼女らしい。

幻獣と龍がウロウロしている地域に一晩二晩ほっぽり投げて、

出会を済まさせつつその後の足取りを掴みにくくするとかな」

ニヤリ、と笑ったその顔に、わたしが抱いた感想は “うわあ” だった

うわあだよ、うわあ。

なにやってくれてんのマザー、。




あんたが仕組んだんかい。



色んな意味で、頭が痛くなりそうだった。





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