運命歌
龍は、神聖でも神秘でもなくて、スッポコなやつもいる。
そんな、知った方がいいような知らなくてもいいようなことを知ってしまったら、元の国には戻れなくなった。
っていうか、このうるさいドラゴンが勝手に絡んできて、知ってしまうことになったのだ
「まあ、そういうことだ。あの国は、嘘をついている。そして、本題は、ここからだ」
国が、龍という存在を歪めて伝えるために、情報統制をしている。
それだけでかなりな衝撃だ。
そうではないことを伝えるだけで処刑とかって、かなり過激に思えるんだけど
なのに、これ以上なんかあるんだ。
もう、驚けない気がしてきた。
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こっちはかなり重要な話らしく、落ち着いて聞いてほしいということで
クールダウンにとラーゼさんはミルクティーを入れてきてくれた
アルディはそのまま、吊るしたままだ。
動いた方がうざいっていうのはよくわかる。
少しは黙れと、寝かされている。
大して長い時間持たない魔法らしいけど
甘く、香り高いミルクティーにはスパイスの香りもたされている。
ホッとする、あったかい甘さ。
静かな時間。
さっきまでの喧しさとは大違いだ。
「落ち着いたか? アルディがいると、いつも何もかもがめちゃくちゃになる……」
あ、いつもなんだ、やっぱり。
「そうなんですね……わかる気がします」
「だろう? あいつの姿が見えた途端に嫌な予感しかしなくなるんだよ」
「……わかります」
「でも、しばらくあいつは君のそばを離れようとしないだろう。すまない」
「え……」
正直ちょっと嫌だ。
こんなに可愛いんだから、ちょっと落ち着けばいいのに。
「顔に出てるぞ。嫌なのはわかるがな」
「あっ、はい」
「でも、なんで……?」
アルディはなぜ、わたしについてくるのだろう。
最初にあったときも、めっちゃ探されたような気がするけれど
この龍がわたしに執着する理由は全くわからない。
ちっともわからなくて疑問符が頭にぐるぐる回る。
ラーゼさんが、静かに話し始めた。
「話を元に戻すとな。昨日の歌、の話なんだ」
「うた……?」
「鑑定のときに聞こえただろう。あれは、お前の能力を示す、運命歌だ」
「うんめいか……?」
「おぼえている、だろう?」
あれだ。
すんごい綺麗なのの間に、すんごい綺麗な声で音楽が聞こえた、あれだ
♪ 言葉 龍 花と草 音楽 龍 龍 光 癒す 光 歌 ♪
って聞こえたのが、たしかに鮮明に再生できるほど耳に残っている。
思い出すだけで、うっとりするような、美しい歌
歌と言っても、誰かの声のような気はしない
何か、風が声になったような
っていうか!! 今、すんごいこと言われた
「わたしの能力!?」
「そうだ、お前の、能力だ」
あれだけ、無能力とさげすまされていたわたしの、能力???
「わたし、ずっと無能力って、言われていた、のに?」
「君の能力は、素晴らしいよ。稀有な、素晴らしいものを、持っている」
いったい、どういうことなの???




