わたしにとっての、意味
鑑定。
そうとは知らされないうちに
“鑑定” されてしまった
その事実に気づいてしまった瞬間、背骨の奥をふるえがを駆け登った
鑑定されてしまった。
わたしが
わたしに
わたしのなかに、なにもないこと
わたしに
なんのかちもないこと、が
知られてしまった。
意識しないうちに、ストンと、座り込んでしまった
腰が抜けてしまったのだ。
細かい震えが全身を支配してしまった。
指先が、視界が震える。
膝が、腰が、
もう立てない。
このまま、蔑まれてしまうのだろうか
切り捨てられる?
奴隷に売られる?
唾を吐きかけてくる?
まちのみんなが
あのひのあとに
してきたように
無様にはいずるようにだったけど、逃げなきゃ、って思った。
この場所から、この人から離れなきゃいけないとおもった。
必死に、逃げた
腰は、足は、ガクガクのままで力は入らない
でも、こんな、綺麗な部屋の真ん中にいたら、何を言われるか、されるかわからない
この人が大丈夫な人かどうかも、わからない。
ずり、ずり、ずり……
ちょっとずつ、後ろに下がる。
無様に、はいずる
あははは、お似合いだぜ、地面這ってろよ
石とか投げてもたてないままなのかな、なげてみようか
あのひの、みんなの、わらいごえ
その、茶色の瞳に見られている、気がしていた
お願いだから、見ないで。
わたしをみないで、きづかないで。
顔を隠して、壁を探した。
優しい瞳が、変わっていくのを見たくなかった
蔑みを、なげつけられたく、なかった
「えっ? どうしたの? えっ? おどろいた?? ごめん!」
ラーぜは慌てて声をかけ、尋常ではない様子のミソノに駆け寄る。
反射的に、頭をかばった。ぶたれる!
なんで、こんな家の中に入ってしまったんだろう。
街中の、外だったら助けも呼べたのにここは誰もいない。
誰かの目に止まれば、叩かれたとしても止めてくれるのに
「やめときなよ」って言ってくれる人をさがせたのに
涙があふれる。
知られてしまった。
彼は、私にさわろうとした手を、そっと下ろしたようだった。
「そこまでひどくなっていたとはな」
そういったあとに、歯を食いしばる音が静かな部屋に響いた。
恐る恐る、目を開けてその姿を見てみると
この上なく悔しそうな顔をして、ラーゼさんが俯いていた。
よかった。
怒ったりキレたりはしてないね。
すぐには殴られたりはしなさそうだ。
でも、逃げないと
どうしよう
バレないようにキョロキョロする。
近くに、窓が見える。
そっちまで走っていけば、外に出られるかもしれない。
荷物、荷物は諦めるしかないだろうけれど
ああ、ごめんなさい
ほんとうにごめんなさい
なにも、もってなくてごめんない。
自責ばかりが、心に降ってきてしまっている
このままじゃ、うもれてしまいそうだ。
きっと、いましかない
そうおもって、なんとか立ち上がろうとした時
「おらあああああああああああ! 何泣かせてんだこのクソラーゼエエエエ!!
叫び声と共に、赤いものが私の顔面を目掛けて飛んできたのであった。
とうぜん
うけとめきれなくて
そのまま
たおれていく自分を認知した直後
わたしは
意識を失ったのだった
++++++++++++++++
めが覚めたら、朝だった。
それはもう爽やかに腫れた朝で、ちゅんちゅん鳥まで鳴いていて
バターをたっぷり引いてオムレツを焼く匂いまで漂っていて
これは、焼き立てのパンかな。とっても香ばしい香りがする。
フカフカのお布団、柔らかなおひさま。
なんて、絵に描いたような素敵な朝なんだろう。
頭がクラクラする。
ここ、どこだっけ。
見覚えのない部屋。
いや、きのうここにいたよね私。
そして、起きたら変なのがいて……ああ、逃げるのに失敗したのか私。
なんだか記憶が混乱している気がするけれど
多分、全部思い出せた。もう、本当に目まぐるしすぎる。
昨日と同じように、ここに寝かされてるってことは、大丈夫なのかもしれない
ラーゼさんは私に酷いことをする気はないのかもしれない。
でも、、、
気持ちが、あっち側とこっち側に忙しなく動き回っている。
どうしよう。
あんまり動かないほうがいい気がしてじっとしていたのだけれど
それにも耐えられなくなってきたので、体をちょっと捻ってみたらうごかない
おかしい。
腰のあたりが、全く動かない。
びっくりして、自分の腰の周りあたりを見てみたら
……りゅうが、のってますね。
ランディだったっけ? 私にぶち当たってきた龍。
何やってるのこの子
めっちゃ爆睡してるじゃん。




