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カエルには、吸盤があるのだ。  作者: 半崎いお
飛び出た場合の
23/31

それ多分全然小出しじゃないやつ。

とりあえず、いまここでラーゼと名乗っている男は

本当にマザーのいっていた「ラーゼ」と言うのは本当のようだ

あの後も、どれだけすごくマザーが私のことを話していたのかを、教えてくれた

これが伝えられていることを知られたらどんなめにあうかわからないって、笑いながら。


マザーは実はめちゃめちゃ強くて有名な魔術師だったんだって。

ラーゼとマザー、つまりセレナは、一緒に旅をする仲間だったんだそうだ

ずっと、戦いに出たり、のんびりしたり、気ままに暮らしていたのだが

ある日突然、怒り狂って帰ってきて、そのまま出て行ってしまったのだそうだ。


その後、数年経ってやっと連絡があったときには、あの鉄面皮で、孤児院長になっていたと

それをみて、仲間内全員大爆笑したと

そして、その姿、その受け答えのままでないと話せないので、と前置きされたうえで

孤児院長と言う立場を得た理由を、訥々と語ってくれた、と



その理由を、きくか、聞かないか、と


問われた。



感情の起伏が激しくて、テンションの高いセレナではあったが

そのセレナがあんなにも怒り狂っているのは初めて見たし

それだけ怒り狂って、その後の人生をそこにぶち込むだけのものが、たしかにあった。


あの国にいてそれを知ってしまうと命の危険がある。

彼女は、それをしりつつ、あそこにいる。


その理由を。



ラーゼさんの瞳はとても静かで優しかった。

あの、鉄面皮マザーがそんなに怒り狂う理由を知りたいかと言われれば、知りたい。

でも、それを知ることは命に関わる。

躊躇した。

でも、知りたかった



ラーゼさんが知りたがるように誘導してるような気もしたけど。

でも、知らなきゃいけないような気がしたんだよね。



生まれ育った国に帰れなくなるかもしれなくても。



いや、ちょっと待って私それっていくところなくなっちゃいません?



気持ちが、あっちやこっちに行ってしまう。



その様子を見て、ラーゼさんが口を開いた。


「では、まず、知っても平気なことだけ、伝えようかね」

「それは是非知りたいです!!」

「元気なのはいいことだ。この後に行く場所の話なんかもしようかね」

微笑んだラーゼさんは、小さな箱を、取り出した。

「なんですか?それ」

「まず。君の身分証を作ろうか」

「はい? 身分証って、家で作れるの?」

「私はね、作れるんです。この村の長ですから。」

あ、ラーゼさんエライヒトだった。


鍵のついた重厚な箱の中から取り出されたのは、真っ白な石板だった。

ミルクを流し溶かしたかのような、なめらかな石板。


「ここに、魔力を流してくれ」

「えっ?」

「普通に、魔道具に流す感じでいいよ」

なんでそんなことが必要なのかわからないまま、とりあえずやってみる

「あ、そうそう。真ん中、ど真ん中にてをぺたんってしてね」

「はい」

「そう、そこでながす!」

「え、えっと、はい」

手の感覚に集中する。

身体中に流れるものを、そこから注ぎ込むようにイメージすると、ふわっと手のひらが暖かくなる

暖かくなったら、そのまま、それを維持するように、息を吐きながら感覚を広げていく



石板が、光った。

光って、一度透明になって

そして、複雑でカラフルな色と形、歌のようなメロディーが響き渡った。

模様と色はだんだんと立体的に湧き上がってくる

部屋が、幻想的な空気に包まれる。

音楽は、複雑さを増し、美しい音楽を奏でて歌になる

いくつか、単語が聞き取れる

♪ 言葉 龍 花と草 音楽 龍 龍 光 癒す 光 歌 ♪

美しい光景は、クルクルと踊り回り、やがて消えた。



あまりの美しい光景に、しばしみほれた

こんなに美しいものは見たことがない


「すごい……」ラーぜさんもつぶやいた「こんなにすごいのは初めて見た……」

「ラーゼさん、これなんなんですか……?」感動したのか、声が震えてしまう

千里都が、脳に刻まれたかのように、頭の中を駆け巡る。

なんだか、頭の中まで震えているような気がする。



「これは、 “鑑定” だよ。この村のな」

「えっ??? 鑑定!?」



そのとき、私の感じたものは、恐怖だった。


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