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カエルには、吸盤があるのだ。  作者: 半崎いお
飛び出た場合の
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フカ。

えっと、龍だよね、あれ。

うろこがあって、二足歩行で、っていうか飛んでて

おっきな目で、トカゲに似てて



簡単に抱きしめられてしまうほど小さいけれど、絵

本で見た龍、そのものの姿をしている

赤い体に、金色の目。




それに今、声が聞こえたけど、龍ってこんなに普通に喋るの???

獣も、魔獣も、基本的に喋るものじゃないよねぇ。

しゃべる生き物、って、しかもふつうに私たちの言葉で、って

めっちゃすごいやつだけじゃなかったっけ?


っていうか、龍だよね。

こんなに普通のところにいていいものなの?


ってかか、私今どこにいるのこれ

普通のところかどうかわからなかった……


どういうことなの……




もう、理解不能すぎて何が起こっているのか全くわからない!




あの龍は慌ててなんかわちゃわちゃしゃべりながら飛び回ってる。

『いない!? さっきまでいたじゃねーか! 誰も部屋に近づいてなかったじゃねーか!

 どっから逃げた!!! くそおおおおおおおお!!』


すっごい勢いで怒鳴り散らして、なんか煙みたいなの吐いてる。

これ、私が出てったら殺されたりするんじゃなかろうか。

ちっさいから食べられたりはしないだろうと思って油断してたけど

龍族って、すんごい強いんだよね…たしか。

わたし、危機なんじゃないかな!?



すごく探してるみたいだから、結界を解除してお話をしてみてもいいかな、と思っていたのだけど

あの煙を見て考えを改めた。

ぜったいこれやばい。

龍は人間とは違う生き物だと聞いている。

下手に動いたり声を出したりしたらやばいようにしか思えなくて、息を潜めた

こんな生き物に攻撃されたら私絶対、一瞬で消し炭になると思う。



縦横無尽に飛び回って、いろんなところを覗いているので、さっきも私を掠めるように飛んできてびっくりした。

めちゃめちゃ近づいてきたりもしているのに、結界の中に入ったりぶつかったりはしないようでほっとする。

まるで、つるっつるで抵抗のない表面を滑っていくかのようだ

龍が飛び込んできても、その軌道が自然に変わってそれていくのだ

そのことに、龍自体も気づいていないようだ。



よかった

よかったけれど





これ、この子がいなくなるまで出られないんじゃない? 私

ここから逃げ出せいないってことは、けっきょくだめじゃん。

っていうか、あの道からも離れて全然違うところに連れてこられちゃってる。

今私が持ってる手がかりって「トリパニアのラーぜに会え」ってことだけじゃん

荷物はあっても、そこにこの先の手がかりは何もない。

……辛うじて出国許可の身分証くらいか。




どうしろっていうのだ。



あ、なんか腹たってきた。

なんでこいつこんなにうるさいんだろう。

虫みたいにバタバタしてさ。

私が何をしたっていうのさ。



疲れていたせいか、妙に攻撃的な気分になっていっていた。


いや、きっと

知らないうちに私自身も、何かに気づいていたのだ




じゃなかったら、こんな、びっくりするくらいでっかい声も出なかったし

結界石を、あんなに高そうな結界石を突然爆散させてしまうなんてこともなかったはず、なのだ




\\\\   うるさい!! だまりなさい!!!  ////



きがついたらもう、声が出ていた。

真夏の南風みたいにブンブン飛び回る真っ赤なアイツが、どうしても許せなかったのだ




そして、目があった。

その赤いやつと。





そして、甲高いパキィィンと、響き渡る音。





その途端、飛んでいる最中だったはずの赤い龍は、

ぼとっ、と、床に

落ちた。


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