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カエルには、吸盤があるのだ。  作者: 半崎いお
飛び出た場合の
12/31

「霹靂」って、雷なんだってさ

え???!!!!






ものすごいびっくりした。

私室の真ん中から妙な煙が出ている。

なに?!火事????




煙? 煙だよね。

なんだか真っ白な湯気とも煙ともつかないものが、突然

ふわふわと漂い始めて、だんだん集まって、渦を巻いて

わたしの部屋の真ん中で

育つように大きくなってトグロを巻き始めたのだ



ぐるぐるぐるぐる回る煙は、だんだんと雲のように密度を増している。



半べそをかきながらも必死に片付けをしていたら突然だ

前触れもなく、なんとなく何かが動いてる気がする、と思ったらこれだよ。

こんなの見たことことも聞いたこともない。

なんなのこれ




何かが燃えているわけでもないし

匂いもないし

もちろんお湯を沸かしたりしてるわけでもない。

わけがわからない。




妙に美しい、その雲のような白いものの動きに目を奪われてしばし固まっていたが

ふと、我に帰った。

これ危ないものじゃないよね? あぶないかな!? やばい? やばいかも!!

とりあえずマザーに伝えなきゃ!!とすぐに走り出そうと思ったら、

急に何か固いものに足首を掴まれた




痛っ。。。。




えつ? 

傘の柄……?



いきなり、足に傘の絵が引っ掛けられたのだ。

いや、それこけるよね?

っていうか、部屋の真ん中の雲だったところは人影になっている

何これ!? 魔法じゃん!!!




これは完璧に魔法だ。

私の部屋に

魔法で侵入してきた人がいる。



そんな状態なのに私はこけたままなかなか立ち上がれずにジタバタしている

これやっぱりやばいでしょ。

ってか誰? なんで???

そうして、よりによって私の部屋?

なんなのよもうーーー!



やっぱりマザーに伝えないと! それしかできない!

大声を出そうとして構え、息を吸い、マザーを呼ぶ

「マ…」ガッ!再び、傘の柄。



今度も思いっきり引っ張られて転んでしまった。

伝えられちゃ困るってこと??

やっぱりやばい人じゃん!!

早く逃げなきゃ、こわい!!!

転ばされたままの四つん這いで、少しでも扉に近づこうとしたら

また、傘の柄が私の足に絡みつく

いやああああ、離せ離せ!!! 

力の限り蹴り付けたら、



聞き覚えのある声が、した





「おちつきなさい、わたしです」





その人影は

なぜか

私の部屋のど真ん中に、妙な煙と共に、仁王立ちしていたのは

今、一番会いたくて会いたくなかった

マザーそのひと、だったのだ。




+++++++++++++++++++++++++++++++++





突然、部屋の真ん中に謎の煙と共にあらわれたこの孤児院の最高責任者。

驚いたなんてもんじゃない。

本当に心臓が止まるかと思った。

今までそんな姿を全く見たことなんてなかったから

そんなことができるなんてこれっぽっちも思っていなかった。

マザーの能力はごく軽い回復魔法が使えるだけじゃなかったの?

他の魔法は一切使えなかったんじゃなかったの?

能力に恵まれなかった、って、いつも言ってたよね?


それに、わたしはあんまり魔法を見たことはないけど、

これ、めちゃムズ魔法の代名詞「転移魔法」ってやつなんじゃないの?



「言いたいことがあれば、言っても大丈夫ですよ。この部屋には今結界を施してありますから」

「……結界? あの、結界石のあれですか?」

「違います。昨夜からこの部屋の内部を外部から一切感知できない状態にして切り離しました」


うわあ、結界魔法とか言うやつか……

「おかげで、あなたの起床がおくれてしまったようですね。わたしのせいです」

「ああ、やたら静かだったのはそれ!? めっちゃ慌てたのに!!」

「そうですね、ごめんなさいね。どうしても内密にお話ししなければならないことがありましたので」

いつも通りのマザーの佇まいに、イラッとしつつも、ほっとする。

いつも、同じ笑顔に、同じ口調、決まった行動をしているマザー

彼女はその、あまりの揺らがなさに機械人形のようだと評されることが多い

男なのか女なのかすらわからないと言う噂があるほどだ。


その、マザーを小さい頃から見ている私だからわかる。

今日の彼女の笑顔は、いつもと違う。

それに、内密の話、って

『できるだけ情報は共有した方がよい結果になるのですよ』が口癖のマザーが

結界まではっての、内密の、話。

しかもこのタイミングで。

なに? 実は貴族の落胤だから保護してもらえとかそういうミラクルが起きちゃうやつ?

みそめられたとかそう言う??

……ないな、ごめんなさい。

ここにおいて欲しい、って言うつもりだったけど、




「なんでしょう、“内密の話”って」

ストレートに、聞いてみた。

マザーはちょっとだけ、表情を揺らして、ささっと周囲を確認するように見回してから、

ほんの少し、掠れた声で、口にした



そんな動揺を含んだ声は、初めて聞いたなって、冷静に思っちゃったよ。

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